過熱感乏しい中でショート勢の清算が連鎖的に発生
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Glassnode(グラスノード)」は9日、同日のビットコインの価格上昇について、ショート(空売り)ポジションの清算が主な要因であるとの分析を示した。
9日、ビットコイン価格は10万5,000ドル台(約1,522万円)から10万8,000ドル台(約1,566万円)へと上昇している。グラスノードが公開したデータでは、この価格上昇のタイミングで、ビットコイン先物市場におけるショートポジションの清算額が急増していることが示されている。
この動きについて同社は、まず市場の状況として「これほどの価格上昇にも関わらず、市場の過熱感を示す資金調達率(ファンディングレート)は低水準で、投機的な動きは驚くほど抑制されている」と指摘。これは、価格上昇を期待する買い注文が殺到しているような「お祭り騒ぎ」の状況ではなかったことを意味する。
ファンディングレートが低いことは、買いの勢いが強くないことを示唆するため、価格下落を見込む投資家(ショート勢)にとっては、比較的安心してショートポジションを構築しやすい状況となる。その結果、市場に積み上がったショートポジションが、何らかの要因による価格上昇をきっかけに連鎖的な強制決済(清算)を引き起こし、その買い戻しがさらなる価格上昇を呼ぶ「踏み上げ相場(ショートスクイーズ)」に繋がった、というのがグラスノードの見立てである。

さらに、この価格上昇の勢いは翌10日も続いている。ビットコイン価格は日本時間10日の午前6時頃から再び急激に上昇を開始し、一時11万ドル(約1,595万円)を突破。”過熱感”がないまま、ビットコイン価格上昇の勢いが続くのか、価格動向を注視しよう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=約145.01円)