イーサリアムのプライバシー特化レイヤー2(L2)「Aztec Network」が、昨年12月の公開トークンセールで調達したETHのほぼ全額を現金化していたことが、オンチェーンデータから明らかになった。オンチェーンアナリストの余烬氏が18日、自身のXでアーカムのデータをもとに指摘した。
公募で約19,476 ETH調達──4か月かけてコインベースへ段階的に送金
Aztec Networkは2025年12月2日〜6日にかけて、ユニスワップ・ラボと共同開発した「CCA(連続清算オークション)」方式による公開トークンセールを実施。総供給量の約15%にあたる約15.5億枚のAZTECトークンを販売し、16,741人の参加者から合計約19,476 ETH(当時約6,100万ドル)を調達した。公募の基準価格は1AZTEC=$0.0473で設定された。
余烬氏のオンチェーン分析によると、調達されたETH
ETHのうち約19,388 ETHがVirtualLBPStrategyBasicコントラクトに集約された後、約4,235 ETHはユニスワップ v4の流動性プール(AZTECトークンの取引環境維持のため)に投入され、残りの約15,154 ETHが中間アドレス(0x1362…)に転送された。
この中間アドレスからは、4か月にわたり段階的にコインベースへETHが送金されていた。アーカムのデータによれば、送金の内訳は以下のとおりだ。
約3か月前に3,130 ETH(約995万ドル)、約1か月前に2,000 ETH(約429万ドル)、約1週間前に5,000 ETH(約1,042万ドル)が送金され、直近では約9時間前に最後の5,020 ETH(約1,233万ドル)がコインベースに送金された。これにより、流動性プールに投入された約4,235 ETHを除く全量がコインベースを通じて現金化されたことになる。
AZTECトークンは公募価格から約50%下落──参加者は含み損が継続

一方、AZTECトークン
AZTECの価格は苦戦が続いている。現在の価格は約$0.0235で、公募価格$0.0473から約50%の下落となっている。TGE(トークン生成イベント)後の2月21日に記録したATH(過去最高値)$0.04にも遠く及ばず、公募参加者は上場以来ほぼ一貫して含み損を抱えている状態だ。
Aztec Networkはa16z、パラダイム、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏らから累計1億1,900万ドル超を調達した有力プロジェクトだ。ゼロ知識証明(zkSNARKs)を活用したプログラマブルなプライバシー機能を提供し、2025年11月にはメインネット「Ignition Chain」をローンチしている。
なお、プロジェクトがトークンセールで得たETHを法定通貨に変換すること自体は運営資金の確保として一般的な行為であり、不正を示すものではない。ただし、トークン価格が公募価格を大幅に下回る中での全額売却は、公募参加者にとっては厳しい現実となっている。




