米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は20日、CNBCの経済番組「スクワーク・ボックス」に出演し、就任約1年の成果と暗号資産(仮想通貨)規制をめぐるSECの方針を語った。同氏は規制の透明性向上と関係機関との連携強化を最優先課題として取り組む考えを示している。
SECとCFTCが連携、トークン化証券とデジタル資産コモディティの定義を明確化
アトキンス委員長は番組内で、前体制が採ってきた「執行による規制」という慣行を改め、現在は「ACT戦略」と呼ぶ新たな枠組みを導入していると説明。「前進(Advance)」「明確化(Clarify)」「変革(Transform)」の3本柱からなるこの戦略のもと、規制の曖昧さから海外に流出したイノベーターたちが米国に戻り、製品開発に取り組める環境の整備を進めているという。
暗号資産規制の「明確化」については、SECがこれまで非常に不透明なアプローチを取ってきたと自己評価したうえで、商品先物取引委員会(CFTC)と連携し、トークン化された証券とコモディティに分類されるデジタル資産の定義を整理したと述べた。両機関の役割分担を明確にすることで、事業者や投資家が安心してビジネスを構築できる環境を目指すとしている。
また、番組内でインタビュアーから市場の公正性に関する質問を受けたアトキンス委員長は、大統領発言を利用した市場操作疑惑について「憂慮すべき事態であり、調査している」と明言。予測市場については取引の追跡が可能であるとしながらも、司法省やCFTCとSECが連携して監視している点を強調した。
プロジェクト・クリプトで規制枠組みを整備、SECポッドキャストでビジョンを強調
アトキンス委員長は番組外でも積極的に発信している。SECが16日に公開した公式ポッドキャストでは、マーク・ウエダ委員とヘスター・パース委員を招き2026年の優先課題について議論。過去4年間のSECの姿勢を「本来の使命からの逸脱」と位置付けたうえで、「米国を世界の暗号資産の首都にしたい」と改めて強調した。
また、パース委員が主導する「プロジェクト・クリプト」を通じ、明確な規制枠組みの整備を急いでいるとも説明。詐欺などの悪質な行為を厳格に取り締まりながら、正当なイノベーションを促進するための規制環境の整備を目指す考えを示している。
透明性ある規制環境の整備を通じ、米国が世界の暗号資産市場における存在感をどこまで高められるか。アトキンス委員長の今後の手腕に期待したい。
関連:米SECアトキンス議長、暗号資産規制を再定義する「トークン・タクソノミー」構想を発表
関連:米SECアトキンス議長「アメリカの暗号資産分野は約10年遅れている」




