Web3ウォレット大手のメタマスクは30日、新機能「MetaMask Money Account」を発表した。同サービスは、暗号資産(仮想通貨)の運用と日常決済を一つの口座に統合し、残高に対して最大4%の年間利回り(APY)を自動で生み出すオールインワン型の口座だという。
複雑なDeFi操作は不要、ウォレットに預けるだけで始まる自動資産運用
従来は利回りを得るために専用サービスへ資金を移して固定するか、利回りを諦めて決済用に手元に残す必要があった。新口座では、預け入れた資産が米ドルに裏付けられたステーブルコイン「mUSD」に自動変換され、即座に口座内で利回りが発生し始める仕組みとなっている。
最大の特徴は、資金が利回りを生み出している最中であっても、いつでも自由に取引や決済に使える点にある。このシームレスな体験は「Monad(モナド)」ブロックチェーンを基盤とすることで実現しており、最低預入額などの制限を受けることなく運用できると同社は説明している。
日常決済での活用と強固な安全性を両立
口座内の資金は、各種トークンの取引に使えるほか、世界中のマスターカード加盟店で「MetaMask Card(メタマスクカード)」を使った実店舗での決済にも利用可能である。決済時には最大3%が還元され、使わなかった残高はそのまま利回りを生み出し続ける設計となっている。
USDCなどの主要ステーブルコインは変換手数料なしで入金できるほか、Apple Pay等での購入にも対応した。インフラにはVeda(ヴェーダ)やSteakhouse Financial(ステーキハウス・ファイナンシャル)の技術を採用し、従来のウォレットと同等の安全性を確保したとしている。
裏付け資産となる米ドルや短期米国債は規制下で保管されている。決済大手Stripe(ストライプ)傘下の企業「Bridge(ブリッジ)」を通じてmUSDが発行される体制を整えており、待機期間なしでいつでも資金にアクセスできる安全な設計だという。
ただし、利回りが生まれる仕組みは、この裏付け資産とは別だ。同社によると、利回りは発行体が支払うのではなく、預けた資金をDeFi(分散型金融)のレンディングプロトコル(提供開始時はMorpho(モルフォ)、今後Aave(アーベ)を追加予定)で運用することで生まれる。APYは変動し、元本の保証や預金保険はないとしている。
メタマスクの最大の強みである巨大なユーザー基盤に、預金と決済の機能が統合された意義は大きい。これまでDeFiにハードルを感じていた層が、日常決済の延長で自然に利回りを享受できるようになるため、Web3のマスアダプション(大衆化)に向けた重要な転換点になるだろう。
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