ビットコイン保有戦略の比較|積極管理するアメリカとブータンの投資アプローチ
ブロックチェーン分析プラットフォーム「Arkham(アーカム)」が19日、国家によるビットコイン保有量ランキングを公式Xアカウントで発表した。アメリカが121億6,000万ドル(約1兆7,389億円)で首位を独走する一方、ブータンが独自の戦略で3位にランクインしている点は見逃せない。
アーカムによると、最新の国家別ビットコイン保有量ランキングの上位4ヶ国は次の通りだ。
- アメリカ合衆国 – 121億6,000万ドル(約1兆7,389億円)
- イギリス – 36億7,000万ドル(約5,248億円)
- ブータン – 7億8,246万ドル(約1,119億円)
- エルサルバドル – 3億5,175万ドル(約503億円)
ARKHAM政府ビットコイン保有量ランキング
1.アメリカ合衆国 – 121億6,000万ドル
2.イギリス – 36億7,000万ドル
3.ブータン – 7億8,246万ドル
4.エルサルバドル – 3億5,175万ドル
残念賞 – ドイツ – 0ドル(35億6,000万ドルから急減)
注目すべきは、かつて保有量が35億6,000万ドル(約5,091億円)だったドイツが、現在では保有量がゼロになっている点だ。
アメリカは、違法薬物取引サイト「シルクロード」事件など、法執行機関による差し押さえによって押収されたビットコインが保有量の大部分を占めている。アメリカ政府はこれらの資産を積極的に管理し、押収した資産の取引を頻繁に行っている。
一方、イギリスは過去3年間大規模な暗号資産(仮想通貨)取引を行っておらず、ビットコインの長期的な価値に焦点を当てた、より受動的なアプローチを採用している。
特に注目されるのがブータンで、GDPの約3分の1に相当する額のビットコインを保有している。「CoinDesk」の報道によると、これは国営企業「Druk Holdings(ドルク・ホールディングス)」が運営するマイニング事業によって蓄積されたものだという。
ブータンの事例は、小国が国家戦略として仮想通貨投資を活用する可能性を示しており、ドルクホールディングスの戦略には以下の特徴がある。
- デジタル資産を重点投資分野の一つに位置付け
- シンガポールのマイニング大手「Bitdeer」との提携
- 2025年までにマイニング能力を600メガワットまで拡大予定
ビットコインを法定通貨として採用したエルサルバドルは、ビットコインの保有資産を積極的に管理し、日常的に取引を行っている。
国家によるビットコイン保有競争は、仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性がある。投資家は各国の動向を注視し、自身の投資戦略に反映させることが重要だ。
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