仮想通貨取引所MEXC、凍結資金を解放しトレーダーに謝罪──「感情的になった」と運営幹部が認める

水澤 誉往
10 Min Read
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暗号資産(仮想通貨)取引所大手MEXCは1日、資金凍結問題で対立していた暗号資産トレーダー「White Whale」氏への謝罪を表明し、凍結していた資金を解放したことを明らかにした。MEXCの最高戦略責任者(CSO)Cecilia Hsueh氏がX(旧Twitter)で公開した投稿によると、White Whale氏の資金はすでに解放されており、同氏はいつでも資金を引き出せる状態にあるという。

Hsueh氏は投稿で「We fucked up(私たちは失敗した)」と率直に認め、White Whale氏とのコミュニケーションで「感情的になってしまい、そうすべきではなかった」と謝罪した。同氏は2カ月前にMEXCに参加して以来、取引所の変革を推進してきたと説明。「MEXCは急速に成長したが、現在の規模に対してリスク管理、オペレーション、広報チームが追いついていない」と内部の課題を認めた。

White Whale氏、全額をコミュニティと非営利団体に分配へ

資金凍結の当事者であるWhite Whale氏は、資金解放を受けて「公衆の抗議がMEXCに正しい行動をとらせた」と投稿。同氏は「自動化ツール、秘密のAPIアクセス、ボットを一度も使用していない。自分の手だけで勝ち負けを決めるトレーダーだ」と改めて主張し、MEXCが当初主張したマネーロンダリング(AML)疑惑や詐欺師との非難を否定した。

White Whale氏は解放された資金について、「地位や富、SNSフォロワー数によって異なる扱いを受けるのは不公平だ」として、全額をコミュニティに還元する方針を表明。最初の2万人のサポーター(NFT保有者)に50%、残り50%を認証済み非営利団体に分配すると発表した。ソラナブロックチェーン上のトランザクション記録では、MEXCからの資金移動が確認されている。

SOLスキャン
出典:SOLSCAN

White Whale氏はMEXCに対し、2つの改革を求めた。第1に、取引所が顧客資金を「没収する」金銭的インセンティブを持つべきではなく、犯罪行為の疑いがある場合は適切な当局に引き渡すべきだと主張。第2に、リスク管理プロセスの迅速化と、無実の顧客が誤って凍結される問題への対処を要求した。

同氏は「MEXCのリスク管理チームは法執行機関ではない。そのように振る舞うべきではない」と指摘し、顧客資金の凍結解除または当局への照会に合理的な期限を設けるべきだと述べた。

Hsueh氏は投稿で、リーダーシップチームが問題を認識し、透明性の改善と必要な変更の実施に向けて動き始めたと説明。「今後さらなるアップデートが来る。しばらくお待ちください」と今後の改善を約束した。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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