JitoSOLの急成長や手数料収益の拡大が後押しに
暗号資産(仮想通貨)のリサーチ企業「Kairos Research(カイロスリサーチ)」は25日、2024年のソラナエコシステムに関する動向を報告。ソラナは年間を通じて急速に収益を拡大し、その大きな要因となったのがJito(ジト)プロトコルの成長であることを明らかにした。
Jitoとはソラナ基盤のリキッドステーキングプロトコルだ。同プロトコル上でユーザーはSOLをステーキングすることで、リキッドステーキングトークン「JitoSOL」を受け取れる。さらに、Jitoはソラナ上で発生するMEV(最大抽出可能価値)の一部をユーザーに分配することで、収益の最大化を実現しているのも特徴だ。
カイロスリサーチの報告によると、2024年におけるJitoSOLのTVL(預かり資産)はSOL基準で125%増加、1日の平均成長率は1.65%という高い水準を維持している。この成長はDeFi(分散型金融)分野でも顕著であり、1,430万JitoSOLのうち約23%がレンディングや分散型取引所(DEX)など多様なDeFiサービスで活用されている。
特に注目すべきは、トランザクションの優先手数料「Jito Tips」である。この手数料は、2024年にSOL建てで月間19.6%、USD建てで32.7%の成長率を記録。この急成長をさらに持続・促進するため、新たな仕組み「TipRouter」が提案されている。
TipRouterは分散型でのTips分配を可能にする仕組みであり、エコシステム全体の透明性と効率性を高めることが期待されている。この提案はすでにJIP-8で採択されており、今後のJIP-10およびJIP-12の投票を経て、詳細が確定する予定だ。
2024年のJito Tipsの成長は数値面でも顕著で、合計額は11月17日に史上最高額となる1,470万ドルに達した。この記録は、Jitoプロトコルがソラナエコシステム内で取引需要の高まりに対応していることを示している。
さらに、Jitoプロトコルは、2024年を通じてクライアントシェア率を48%から93%へと大幅に拡大。特にMEV報酬はJitoプロトコルにおけるステーキング報酬の安定的な収入源として定着し、ステーキング報酬全体に占めるMEV報酬の割合が年間26週のうち10%以上を占めたという。
Jitoの成長はソラナ全体の収益基盤を押し上げ、エコシステム全体の活性化をもたらした。今後さらに多くのユーザーと資本が流入していけば、ソラナエコシステムの可能性拡大に期待できるだろう。
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