ビットコイン(BTC)財務戦略を推進するストラテジーのCEOであるフォン・リー氏が9日、CNBCの独占インタビューで「ビットコインは決して売らない」としてきた方針を転換すると発表した。同氏は、同社が今後状況に応じてビットコインを売却する可能性を示している。
「1株当たりビットコイン数の増加」が売却判断の鍵に
方針転換の理由についてリー氏は、「私はイデオロギーよりも数学を信じている」とシンプルに語った。ただし売却はあくまで条件付きで、「1株当たりのビットコイン数が増える、つまり株主にとってプラスになる」と判断できる場合に限るとしている。
売却が現実的な場面として挙げたのが、同社が発行する月払い利回り11.5%の永久優先株「STRC」への配当支払いだ。現在のmNAV(市場純資産価値)が1.22を下回っているような状況が売却タイミングになり得ると説明。これに加え、リー氏は税務上の利益確定や損失の繰り越しを目的とした売却も選択肢に入るとしている。
一方、「売却によってビットコインの価格が動いてしまうのではないか」とのインタビュアーからの問いにリー氏は否定した。同氏は「ビットコインは1日に600億ドル(約9.4兆円)以上取引されている。当社の年間配当総額15億ドル(約2,354億円)は日次ベースで見れば市場全体のほんの数パーセント、あるいは数ベーシスポイントに過ぎない」と述べ、流動性の問題にはならないとの見方を示した。
また、財務の健全性についても現在のレバレッジは約10〜15%、増幅率は約35%だと強調。リー氏は「投資適格級に相当するKPIだ」とストラテジーの財務状況に自信を示している。
第1四半期の決算発表、ビットコイン保有数は年初来22%増へ
5日、ストラテジーは2026年第1四半期の決算を発表した。5月3日時点の同社のビットコイン保有数は818,334BTC
BTCとなっており、直近で購入ペースは減速しているものの、年初来22%増と積み上げを続けている。
一方、営業損失は144.7億ドル(約2.2兆円)となった。このうち144.6億ドルは、ビットコインの価格変動を期末時点で損益に計上する会計基準(ASU 2023-08)による未実現損失となっている。ソフトウェア部門の売上高については、前年同期比11.9%増と安定した伸びを見せている状況だ。
なお、同社ではSTRCの配当支払いを月2回に倍増させる株主投票も提案されており、デジタルクレジット戦略の強化が続いている。数学を優先するストラテジーの新たな姿勢が、今後のビットコイン市場にどう影響するか引き続き注目されそうだ。
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