暗号資産(仮想通貨)決済大手のMoonPay(ムーンペイ)は11日、人工知能と金融市場の応用研究を手がけるDawn Labs(ドーン・ラボ)を買収し、AIトレーディングエージェント「Dawn CLI(ドーンCLI)」をローンチしたと発表した。
自然言語で戦略を記述、AIが自律的に取引を執行
Dawn CLIは、ユーザーが自然言語(英語)でトレーディング戦略を記述すると、AIがその内容をコードに変換し、リサーチ・バックテスト・ライブ執行までを自律的に処理するツールだ。従来、トレーディング戦略の構築にはリサーチ、ソフトウェア開発、ポートフォリオ管理の3領域にまたがる専門知識が必要だったが、Dawn CLIはこれを単一のシステムに統合している。
主な対象として想定されているのが、ポリマーケットやカルシといった予測市場のトレーダーだ。ムーンペイによると、予測市場は最も急成長しているカテゴリーのひとつだが、高パフォーマンスを実現するためのインフラは依然として断片的で手動に依存する部分が多いという。
Dawn Labsは2025年にニーラジ・プラサド氏が設立した。同氏はMITでコンピューターサイエンスを学び、ウェイモ、マイクロソフト、シタデルなどで自動運転の認知システムや量的取引に携わった経歴を持つ。買収に伴いプラサド氏はムーンペイ・ラボのチーフエンジニアに就任する。
ムーンペイはこの1年で、MoonPay CLI、Ledgerハードウェア署名対応のAIエージェント、マスターカードと連携したMoonAgents Card(ステーブルコイン決済カード)、AIエージェント向けウォレット共通規格「Open Wallet Standard」のオープンソース公開と、AIネイティブインフラの整備を矢継ぎ早に進めてきた。Dawn CLIの投入はその延長線上にあり、決済インフラからトレーディング執行レイヤーへと事業領域を拡大する動きとなる。
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