東証プライム上場の株式会社アイティフォー(4743)は11日、デジタル資産を次世代へ安全に引き継ぐプラットフォーム「デジシェア」を正式にリリースしたと発表した。ブロックチェーン技術を活用し、デジタル遺品問題の解決を目指すサービスだ。
ブロックチェーンで情報の改ざんを検知、逝去時に自動共有
デジシェアは、利用者向けのスマホアプリと導入企業・団体向けのWebアプリ(バックオフィス)が連動するBtoBtoC型のサービスである。利用者は銀行口座情報、保険の加入状況、SNSアカウント、サブスクリプションサービスのログイン情報、医療・介護の希望、家族への動画メッセージなどを保管できる。

保管された情報は「逝去時」「指定した日時(タイムカプセル)」「即時」の3つのタイミングから共有方法を選択可能だ。逝去時の共有については、導入企業・団体が公的書類で事実確認を行った上で情報を開示する仕組みとなっている。
技術基盤にはchaintope社が提供するエンタープライズブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」を採用しており、記録された情報の改ざん検知と真正性の保証を実現している。
開発の背景には、サブスクリプションの普及や銀行の通帳レス化により、故人のデジタル資産が家族から見えにくくなっている社会課題がある。一般社団法人終活協議会の調査(2026年3月発表)によると、「パスワードが分からず家族が困ること」を不安に挙げた人が38%、「サブスク・ネット契約が残り続けること」を挙げた人が17%に達している。
アイティフォーは2024年に熊本県と連携し、「電子終活ノート」の実証事業を実施。8団体128名が参加し、終活ノートのペーパーレス化やブロックチェーンによる改ざん検知などを検証した。この知見をもとにデジシェアの開発に着手している。同社は金融機関・地方自治体を中心に、年間6件、5年間で30件の受注を目指すとしている。



