米国最大級の労働組合5団体が、暗号資産(仮想通貨)の『クラリティ法案(Digital Asset Market Clarity Act)』への反対を上院議員に対して表明した。CNBCが12日、書簡を独占入手し報じた。5月14日に予定される上院銀行委員会の採決を前に、銀行業界に加え労働組合も反対に回ったことで、法案成立へのハードルがさらに高まっている。
「退職金口座にリスク」、5大労組が連名で反対書簡
CNBCが入手した書簡によると、反対を表明したのはSEIU(国際サービス従業員労働組合)、AFT(アメリカ教員連盟)、NEA(全米教育協会)、AFSCME(アメリカ州郡市従業員連盟)の4団体で、9日付で全上院議員に送付された。AFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産業別組合会議)も同日、銀行委員会メンバーに対して個別にメールを送っている。
4団体の連名書簡では、クラリティ法案が「労働者の退職年金プランや公的年金の安定性を脅かし、退職貯蓄口座に大きなボラティリティをもたらす」と指摘。さらに「この法案は暗号資産業界に過大なリスクを取ることを許容し、そのリスクが裏目に出た場合、代償を払うのは暗号資産の富裕層ではなく労働者と退職者だ」と警告した。
AFL-CIOも「十分な規制なしに暗号資産やデジタル資産を実体経済に組み込めば、不安定化を招く。その恩恵は発行者やプラットフォームに偏り、労働者が犠牲となる」との見解を示している。
クラリティ法案への反対は労働組合だけではない。銀行業界もステーブルコイン保有に対して銀行預金と同様の利回りを提供できるとする条項に反発しており、銀行預金の流出リスクを懸念している。暗号資産業界側は、法案は逆にそうした慣行を禁止する内容だと反論している。
民主党議員は数ヶ月にわたり共和党と法案の協議を進めてきたが、安全性や倫理規定に関する懸念が残っており、現時点で民主党から明確な支持を表明した議員はいないとCNBCは報じている。また、月曜日夜の時点で委員会から最終的な法案テキストは公開されていなかった。
関連:クラリティ法、最新草案309ページが公開──14日の委員会採決が山場
関連:米有権者の7割が暗号資産規制整備を支持──クラリティ法に52%が賛成=ハリスX調査



