東証グロース市場に上場する株式会社TORICOは12日、暗号資産イーサリアム(ETH)の追加取得を発表した。先日公表した「ターゲットバイイング戦略(キャッシュ・セキュアード・プット)」を活用したもので、取得プロセス自体から収益機会を創出する新たな試みとなる。
取得コストを抑制しつつトレジャリー運用の資本効率を向上
今回の発表によると、TORICOは2026年5月8日付で50ETH
ETHを追加取得した。取得価額は1,795万円で、平均取得単価は1ETHあたり35万9,000円となっている。この結果、同社のイーサリアム総取得数量はステーキング収入分等を含めて2,669.4770ETHに達し、総取得価額は約11億4,967万円(平均取得単価43万675円)となった。同社はこれまでも継続的にイーサリアムの買い増しを行っており、国内上場企業の中でも際立った暗号資産投資戦略を展開している。過去の開示資料によると、2025年12月末の取得開始以降、複数回に分けて計画的な買い付けを実施してきた経緯がある。
同社は現在、第11回新株予約権の発行による資金調達を計画的に進めており、調達した資金を順次イーサリアムの取得に充てている。今回活用された「ターゲットバイイング戦略」は、オプション取引の一種であるキャッシュ・セキュアード・プットを用いた手法だ。これにより、単に市場で買い付けるだけでなく、取得プロセスそのものから収益機会を生み出し、実質的な取得コストを抑制することが可能になる。暗号資産市場特有の高いボラティリティ(価格変動率)を逆手に取り、より有利な条件での資産形成を目指す狙いがある。単なる現物の保有にとどまらない、高度な金融手法を取り入れた運用と言える。
TORICOは、この戦略の導入によってトレジャリー運用全体の資本効率向上を進めていると説明している。中長期的な企業価値の向上に資する取り組みと位置づけており、今後の運用状況や市場環境によって当期業績に重要な影響が生じる場合には、速やかに開示する方針を示した。
上場企業による暗号資産の保有は、インフレヘッジや価値保存の手段として注目を集めてきたが、TORICOの事例はオプション戦略やステーキングを組み合わせた積極的な運用フェーズへと移行しつつあることを示唆している。
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