スタークウェア社が開発したイーサリアムのレイヤー2「スタークネット」は12日、ビットコインを裏付けとし、プライバシー機能を備えた「strkBTC」の提供を開始した。ユーザーはウォレットを通じ、残高の非公開化や送金の秘匿化を行いながらDeFiで運用できる。
新規格「STRK20」を採用、ワンクリックで残高の非公開化が可能に
ビットコインは高い信頼性を持つ半面、すべての取引履歴が公開される。近年、この完全な可視化に伴うコストは増大している。そこでスタークウェアは、検証可能性と機密性を両立するトークン規格「STRK20」を開発し、同規格を採用した初のトークン「strkBTC」をローンチした。
strkBTCはビットコインに裏付けられたERC20トークンで、「パブリック」と「シールド」の2つのモードを備えている。パブリックモードでは通常のトークンと同様に扱え、シールドモードでは特定の残高や送金を公開情報から隠すことが可能だ。モードはウォレット上で容易に切り替えられる。
規制遵守とプライバシーの共存
完全な匿名性ではなく、コンプライアンス(法令遵守)と両立する設計を採用した点が大きな特徴だ。シールドモードの利用時、閲覧用キーは独立した第三者の監査人と共有される。法的機関からの正当な要請があった場合に限り、対象者の取引内容を限定的に開示できる。
また、送金自体を秘匿しても、手数料の支払い元から情報が漏洩するリスクがある。そこでstrkBTCは、手数料を代行処理する「avnu」と連携し、ユーザーの身元を明かさない取引を実現した。現在はXverseなどのウォレットが対応しており、単一の画面で秘匿送金から残高管理までが完結する。
strkBTCは、ビットコインネットワーク上にロックされた現物のビットコインと1対1で裏付けられている。ブリッジ機能は現在、複数の提携企業によるフェデレーションモデルで運営されているが、将来的には完全にトラストレス(第三者の介在が不要)な構造へ移行するロードマップを描いている。
DeFiエコシステムの拡大
strkBTCは単なる保有にとどまらず、スタークネット上のDeFi(分散型金融)で即座に運用できる。レンディング市場でステーブルコインを借りる担保にするほか、分散型取引所「Ekubo」の流動性プールへの提供が可能だ。さらに「Endur」でのリキッドステーキングも既に開始されている。
数週間以内には「アノニマス・スワップ(匿名交換)」機能が追加される予定だ。これにより、資産の交換自体を非公開で実行できるようになる。また、今回導入されたSTRK20というプライバシー規格は、将来的にスタークネット上のあらゆるERC20トークンに適用される計画となっている。
strkBTCはビットコインの信頼性とスタークネットの処理能力、そしてプライバシー保護を組み合わせた意欲的な試みだ。秘匿性を保ちながらDeFiで運用できる点は、これまで透明性を嫌避していた大口投資家の資金をエコシステムに呼び込み、流動性を劇的に向上させる起爆剤となる可能性がある。
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