a16z支援のレイヤー1「Iron Fish」がメインネット公開
ゼロ知識証明を採用しトランザクションのプライバシーを強化するレイヤー1ブロックチェーン「Iron Fish」は20日、2年以上の開発期間を経てメインネットを公開した。
PoW(プルーフオブワーク)の運用で動き、2021年11月に Andreessen Horowitz(a16z)らから2,800万ドルの資金調達もし、期待のブロックチェーンである。2022年から3つのテストネットのフェーズで動いていた。
Iron Fishの特徴
PoW運用で動く以外にも、「Iron Fish」には以下の特徴的がある。
- ゼロ知識証明を採用する
- 他チェーンとの相互作用性ある
- ノード立ち上げが容易である
流行りのゼロ知識証明を採用する
まず大きな特徴は、プライバシー保護する技術「ゼロ知識証明」使うという点だ。非対話性を実現するzk-SNARKsと、トランザクションの軽量化をするSaplingを採用する。
事前情報なし(ゼロ知識)で、情報が真であると示す(証明)する技術。ブロックチェーンに利用することで、スケーリングを支援できたり、トランザクションのプライバシーを保護できる。
近年、ゼロ知識証明を採用したブロックチェーンが登場し、話題となっている。
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他チェーンとの相互作用性ある
また、マルチアセット機能を採用し、さまざまなタイプの通貨を認識できるようになる。つまり、他チェーンとのブリッジなどが容易になり、相互作用性が生まれるのだ。
取引にプライバシーが必要になった場合は、資産をイーサリアムなどからIron Fishへ移動して、非公開で取引・保管・交換するといったかたちだ。
ノード立ち上げが容易である
ノード構築が、だれでも容易にできるようにもなる。
ほとんどのブロックチェーンは、通信や操作の難易度の高さが理由でノード構築が容易ではない。現にビットコインの場合は、ノードが1万個のみしかなく中央集権的だ。「Iron Fish」は、ノード構築のハードルを下げ、だれでもネットワーク運営の分散化を図る。
IRONを発行
Iron Fishは、マイニング報酬としてIRONトークンを発行している。取引所などには未上場で、今までテストネット利用して貯めたポイントを換金し手に入れられる仕様だ。イーサリアムも去年「The Marge」にアップデートしたように、近年のブロックチェーンはPoS(プルーフオブステーク)運用が主流である。
時代と逆行したPoW運用と流行りのゼロ知識証明を採用したレイヤー1チェーン「Iron Fish」には、今後も期待が集まる。