イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は16日、ビットコインのスケーリング技術「Utreexo」に通じるアイデアについて、現在提案されているイーサリアムのスケーリング戦略を具体化するものだとの見方を示した。あわせて、同氏はこうした発想を先駆けてきたビットコイン開発者を評価している。
STARKでUTXO取引をまとめて証明する構想
発端となったのは、SNSユーザーのConall氏が同日に示した構想だ。同氏は、取引データをまとめて正しさを証明する暗号技術「STARK」と、ビットコインで使われるUTXO型の処理方式をイーサリアム上で組み合わせる構想を紹介した。
構想のポイントは、多数のUTXO取引をひとつずつブロックに載せるのではなく、STARKを使ってまとめて証明することだ。最終的には、その証明結果を示す128kBのデータをブロックに記録することで、大量の取引を効率よく処理できる可能性があるという。
Conall氏はこの仕組みについて、「UTXOの特性を生かして取引処理を分散・並列化する考え方だ」と説明。イーサリアムの処理能力を無限の並列性をもって大きく拡張する構想となっている。
新たなステートタイプで用途別にスケーリング
一方、ヴィタリック氏は個別の技術案だけでなく、イーサリアム全体のスケーリングの方向性についても示している。同氏は10日の投稿で、イーサリアムのスケーリングにおける全く新しいアプローチとして、従来のステート有効期限に代わる「新たなステートタイプ」を提示した。
これは、すべての取引を同じ仕組みで処理するのではなく、用途に応じて異なる種類のステートを使い分ける考え方だ。例えば、トークン送金やスワップなど利用の多い処理には、より制約を持たせた専用の仕組みを用いる。対象を絞ることでスケーリングしやすくし、全体の処理負荷を抑えようという考えだ。
今回の投稿でヴィタリック氏が「UTXO型のステートだけでなく、動的なステートやその中間にある仕組みまで取り入れたい」と述べたのも、この方針に沿ったものと言える。同氏は、分散性やノード運用のしやすさや検閲耐性を保ちながら、イーサリアム上の大半の活動を大規模に処理できる形を目指すとしている。
ただし、今回の構想はまだイーサリアムへの実装が決まったものではなく、現時点ではあくまで提案段階だ。ヴィタリック氏も、UTXO型のステートを既存の口座型の仕組みに置き換えるのではなく、両者を組み合わせる方向だとしている。
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