ビットコイン(
BTC)の保有量が国内上場企業で最も多いメタプラネット(東証スタンダード:3350)は5日、資本配分方針(キャピタル・アロケーション・ポリシー)を再改定し、新たにネット・インタレスト・インカム戦略を導入すると発表した。社債や優先株式などで調達した資金を、安定的な収益が見込める資産に投資し、その利回りと調達コストとの差を継続的な収益とする。
メタプラネットの資本配分方針、資産サイドに初の目安──ビットコインは総資産の85〜90%
同社は2025年10月28日に資本配分方針を策定し、今年3月16日に一部を改定していた。今回は5日の執行役会で再び改定した。
従来の方針は、資産はビットコインであることを前提に、mNAV(企業価値を保有ビットコインの時価純資産で割った倍率)の水準に応じた資金調達の方法を定めたものだった。今回はこれに加え、資産サイドの配分についても基本方針を設けた。
| 配分先 | 総資産に占める目安 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ビットコイン | 85〜90%程度 | 最も重要な財務準備資産として長期保有 |
| 戦略投資枠 | 10〜15%程度 | (1)金融プラットフォームの構築に資するM&A(メタプラネット証券、SLEなど) (2)ネット・インタレスト・インカム戦略に基づく投資 (3)今後展開するアセットマネジメント事業の投資資金 |
資金調達の面では、ビットコインの取得に充てるクレジット・ファシリティの借入残高を、保有ビットコインの時価純資産(BTC NAV)のおおむね1割未満に抑える目安を維持した。戦略投資枠に充てる借入などは、この目安とは別に、投資先が生むキャッシュ・フローとの対応関係(ALM)に基づいて管理する。
JinaCoinのビットコイン保有上場企業のデータでは、5日19時40分時点の同社の保有ビットコインの評価額は5,982.6億円だった。この目安に当てはめると、ビットコイン取得向けの借入残高の上限は、計算上約598億円となる。
普通株式による資金調達は、原則としてmNAVが1倍を下回る水準では行わない。ただし、すべての株主に新株予約権を割り当てるライツ・オファリングは、ビットコインの取得が中長期的な株主利益に資すると判断すれば、活用する可能性があるとした。
mNAVが1倍を下回る局面では、自己株式の取得を適切に実施する方針も示している。同じ時点のJinaCoinのデータでは、同社のmNAVは0.67倍だった。
メタプラネットのネット・インタレスト・インカム戦略、他社の優先証券などに投資
新戦略では、社債(BitBonds)や永久型優先株式、ビットコインを担保にしたクレジット・ファシリティで資金を調達し、主にビットコイン・トレジャリー企業などが発行する優先証券に投資する。投資は戦略投資枠の範囲内で行い、長期保有するビットコインとは分けて管理する。
同社は、ほかの多くの発行体より低いコストで資金を調達できるとし、その理由として4点を挙げた。
- メタプラネット証券を通じ、ビットコイン連動型の利回り商品を取得する手段が限られた国内投資家に直接アクセスできる
- 米ナスダック上場のSLEへの出資が完了すれば、米国の資本市場にもアクセスできる
- 保有するビットコインを担保に資金を調達できる
- 円建ての調達は、米ドル建てと比べて金利が低い
円で調達した資金を米ドル建ての資産に投資する場合、為替リスクは市場環境に応じてヘッジする。ヘッジしない分は、取締役会が承認した限度額の範囲内で管理するとしている。
SLEへの出資は、ビットコイン2,100BTCと現金250万ドル(約3.95億円)を拠出するもので、2026年第4四半期中の完了を予定している。完了後、SLEは社名をSuperplanetに変え、ビットコイン・トレジャリー事業を始める予定だ。
サイモン・ゲロヴィッチCEOは5日、Xで、新戦略は継続的な収益源をつくり、実効的な資本コストを下げるためのもので、次の成長段階を支えると説明した。同社の目標はアジアを代表するビットコイン金融企業になることだとしている。
同社は、ネット・インタレスト・インカムと、その利ざやであるネット・インタレスト・マージンを新たな重要業績評価指標(KPI)とし、決算発表などにあわせて開示する。2026年12月期の連結業績への影響は軽微だとしている。
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