日本政府は2日、ロシアの暗号資産(仮想通貨)取引所Garantex(ガランテックス)を、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく資産凍結等の措置の対象に指定した。ウクライナ情勢を受けた対ロシア制裁の追加措置で、外務省が同日公表したリストに、ロシアの33団体・9個人の一つとして運営法人のGarantex Europe OU(ガランテクス・ヨーロッパ)が掲載された。
日本政府、ガランテックスなど33団体・9個人を資産凍結の対象に
ガランテックスは、団体のリストの402番に載った。所在地は、サンクトペテルブルクと、モスクワ・シティのフェデレーション・タワーとされている。
指定された個人9人には、ロシアの国営企業ロステックの副ゼネラル・ディレクターや、指定企業のゼネラル・ディレクターらが含まれる。
指定を受けた者への支払いや、預金・信託・貸付といった資本取引は許可制となる。財務省は、こうした取引の許可申請を不許可とすることで資産凍結を実施していると説明している。
今回の措置ではこのほか、ロシアとベラルーシ以外の4団体への輸出禁止や、ロシアの産業基盤の強化に役立つ物品の輸出禁止も導入された。35隻の船舶へのサービス提供なども許可制とし、10月2日より前の契約に基づく履行で、11月1日より前に行われるものには適用しない。
ガランテックス、米国の指定から約4年半──後継のグリネックスは対象外
米財務省外国資産管理局(OFAC)は2022年4月5日、ガランテックスを制裁対象に指定していた。米財務省は、同取引所が2019年以降、ランサムウェアの攻撃者などに関わる1億ドル(約157億円)超の不正な取引を処理したとしている。
2025年3月6日には米国などの法執行措置でインフラが差し押さえられ、同取引所は顧客と資金を後継の取引所Grinex(グリネックス)に移した。OFACは同年8月14日、ガランテックスを改めて指定するとともに、グリネックスや同取引所の幹部3人、ロシアとキルギスの関連6社も制裁対象に加えた。
日本の今回の指定は、米国の最初の指定から約4年半後となる。今回の日本のリストに、グリネックスは含まれていない。
国内の暗号資産交換業者、制裁対象への移転かを確認する義務
日本では、制裁対象者への暗号資産の移転も支払い規制の対象になる。財務省は2020年10月に外為法の解釈運用通達を改正し、同法の「支払等」に暗号資産の移転が含まれることを明確にした。
2022年5月には改正外為法が施行され、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、暗号資産交換業者に、顧客の暗号資産の移転が制裁対象に関わるものでないかを確認する義務が課された。
日本政府は今回の措置について、主要国が講じた措置の内容を踏まえ、問題の解決を目指す国際的な努力に寄与するためとしている。
情報源:外務省(10月2日)、外務省・財務省・経済産業省(10月2日)、財務省(経済制裁措置の概要)、金融庁・財務省(2022年3月14日)、財務省(規制の事前評価書、2022年4月)、米財務省(2022年4月5日)、米財務省(2025年8月14日)
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