ビットコイン(
BTC)の保有量が国内上場企業で最も多いメタプラネット(東証スタンダード:3350)は5日、第3四半期に保有するビットコインのうち1万BTCを売却し、その後1万1,000BTCを再取得したと発表した。純増は1,000BTCで、9月30日時点の保有量は4万4,000BTCとなった。ビットコインを実際に現金化できることを示し、信用格付けの取得につなげる狙いだという。
メタプラネット、1万BTCを売却──社債・借入金の元本を上回る規模で現金化
同社によると、信用格付機関や債券投資家は、ビットコインが市場で換金できるかどうかだけでなく、発行体が必要なときに実際に売却し、債務の返済に充てる能力と意思を持つかを重視する。
海外の同業他社の格付け事例では、売却に消極的な発行体のビットコインが、流動性資産として十分に評価されない場合があったという。
| 項目 | 売却 | 再取得 |
|---|---|---|
| 数量 | 1万BTC | 1万1,000BTC |
| 1BTCあたりの平均価格 | 1,247万0,098円 | 1,362万6,928円 |
| 総額 | 1,247億円 | 1,498億9,600万円 |
売却額の1,247億円は、社債、借入金、優先株式の合計額から現金と米ドル建てステーブルコインを差し引いた1,223億7,400万円を上回る。社債や借入金の返済には充てておらず、いずれも従来の条件のまま残っている。
売却と再取得は別々の取引で、売却代金をいったん現金で保有した後に買い戻した。保有方針を変える目的ではないとしている。
メタプラネットの再取得価格は売却を上回る──米国で約9,700万ドルの繰延税金資産の可能性
売却から再取得までにビットコインの価格が上がったため、再取得の平均価格は売却の平均価格を1BTCあたり115万6,830円上回った。1万BTC分に当てはめると、差額は計算上約115.7億円になる。
一方、売却したビットコインは売却価格より高い価格で取得していたため、米国の税務上は譲渡損失が出た。同社は、米国の持株会社Metaplanet Holdings Inc.の子会社で、約9,700万ドル(約153億円)の繰延税金資産を計上できる可能性があると試算している。
計上できれば、価格差や取引費用の影響の全部または一部を相殺し得るという。ただし、この金額は暫定的な試算で、監査法人の確認を経ていない。
メタプラネットのBTCイールドは11.3%、インカム事業は3四半期連続の減収
第3四半期のBTCイールド(1株あたりビットコイン保有量の増加率)は11.3%だった。完全希薄化後の発行済株式数は、6月末の約16億3,154万株から9月末の約15億0,011万株に減っている。
同日公表したビットコイン・インカム事業の第3四半期の売上高は8億4,840万円で、ピークだった2025年第4四半期から3四半期続けて減った。
| 四半期 | BTC保有量 | BTCイールド | インカム事業の売上高 |
|---|---|---|---|
| 2025年第4四半期 | 3万5,102BTC | 11.9% | 42億4,180万円 |
| 2026年第1四半期 | 4万0,177BTC | 2.8% | 29億6,930万円 |
| 2026年第2四半期 | 4万3,000BTC | 6.6% | 17億4,730万円 |
| 2026年第3四半期 | 4万4,000BTC | 11.3% | 8億4,840万円 |
同社は、通期の業績予想に対する進捗は当初の想定を下回っているとしたが、8月13日に公表した業績予想は変更していない。
JinaCoinのビットコイン保有上場企業のデータでは、5日19時40分時点で同社のmNAVは0.67倍、保有ビットコインの未実現損益は862億円の損失(12.6%)だった。同社は同日改定した資本配分方針で、mNAVが1倍を下回る水準では原則として普通株式による資金調達を行わないとしている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.01円)



