老舗DEXバランサーが幕引き、フォーク案は否決──BALをバーンして資産分配へ

老舗DEXバランサーが幕引き、フォーク案は否決──BALをバーンして資産分配へ
バランサー公式サイトより引用
ヤマダケイスケ
3 Min Read
Highlights
  • 30日、バランサーDAOがガバナンス投票を経て、段階的な事業終了の決定を発表
  • 10月30日から対象プールを出金専用へ移行。流動性提供者による資産の引き出し対応を継続
  • 提案時点で少なくとも約14.2億円のトレジャリーを2027年5月末からBAL保有者へ分配

分散型取引所バランサー(Balancer)は30日、プロトコルを段階的に終了するガバナンス提案「BIP-928」を承認したと発表した。一方、事業継続を目指したフォーク案「BIP-929」は否決され、10月末からプールの停止やDAOの閉鎖に向けた手続きを始める方針だ。

収益拡大に至らず、10月末から出金専用へ

BIP-928の提案者は、現行体制での再建は難しいと判断。4月に保有者が承認した再建計画に基づき、チームがコスト削減やトークン発行の終了、V3の展開を進めたものの、継続的な収益拡大には至らなかったと説明した。2025年11月のV2プールへの攻撃も事業拡大を難しくしたが、同事件が判断の根拠ではないという。

バランサーのプールは10月30日まで通常どおり稼働する。同日以降は、停止可能なプールを一時停止し、出金のみ受け付ける状態へ移行。停止できないプールでは、契約上可能な範囲でプロトコル手数料をゼロにする。バグ報奨金制度も同日で終了する予定だ。

移行に時間が必要な提携先は、10月16日までに申請すれば、指定したV3プールを11月30日まで稼働できる。11月30日にはV3 Vaultを停止し、残るV3プールも出金専用へ切り替わる。

流動性提供者(LP)は、これらの日程の前後を問わず資産を引き出せる。バランサーは10月30日までに、公式アプリや外部ツール、オンチェーンから直接退出する手順を公開すると説明した。

BALをバーンしトレジャリー資産を分配

ガバナンストークンのBAL(BALBAL)保有者への資産分配は、2027年5月末に始まる。提案時点のトレジャリーは少なくとも900万ドル(約14.2億円)と見積もられており、保有者はBALをバーンし、その数量に応じて保有資産を現物で受け取る仕組みだ。

第1回の請求期間は6カ月間で、開始日は少なくとも2週間前に公表されるという。分配額は開始時点の資産価格や終了費用を踏まえ、監査後に確定。未使用予算や未請求分は第1回の請求者へ追加配布され、残余資産の分配をもって手続きが完了する。

バランサーは、現時点でBAL保有者に必要な手続きはないと説明。分配開始前にBALの交換や償還を持ちかけるウェブサイト、ダイレクトメッセージは詐欺であるとして注意を促した。

事業継続を目指すフォーク案は否決

一方、BIP-929では流動性や開発者、提携先、知的財産を別組織へ移行する構想が示されていた。プールとVaultの停止時期については、2027年第2四半期末まで延期し、その間に技術を引き継ぐといった内容だった。

このほか、新組織へ未流通の約600万BALを初期資金として付与し、独自トークン発行時に完全希薄化後の供給量の10%をバランサーのトレジャリーへ割り当てる計画も示された。フォーク側をBIP-928の資産分配から除外する設計も含まれていたが、提案の否決により退けられた。

今回の投票では、別組織への移行による事業継続よりも、現行プロトコルを整理して資産を保有者へ戻す方針が重視された形だ。今後は、利用者の退出とトレジャリー分配を混乱なく進められるかが焦点となる。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.8円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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