プライバシー通貨Zanoで不正発行、1カ月気付かず──チェーン巻き戻し

プライバシー通貨Zanoで不正発行、1カ月気付かず──チェーン巻き戻し
Zano公式サイトより引用
水澤 誉往
3 Min Read
Highlights
  • プライバシー重視のZanoは1日、ZANOとfUSDの不正発行について原因と経緯の技術報告を公開
  • 新機能の照合漏れで、8月29日から9月25日(UTC)の検知まで約1カ月にわたり不正発行に気付かなかった
  • 9月27日にはHF6直前のブロックからチェーンを再開し、約1カ月分の取引履歴が無効になっている

プライバシー重視のレイヤー1ブロックチェーンZano(ザノ)は1日、新機能「ゲートウェイアドレス」の脆弱性でZANOとfUSDが不正に発行された問題について、原因と経緯をまとめた技術報告を公式Xで公開した。同チームは9月27日、ハードフォーク6(HF6)直前のブロック3,833,000からチェーンを再開したと発表しており、約1カ月分の履歴が無効になっている。

Zanoのゲートウェイアドレスに照合漏れ、1回で約1,840万ZANOを発行

ゲートウェイアドレスは、HF6で導入された新しいアドレス形式だ。通常のZanoの出力は金額と資産IDの両方を秘匿するが、ゲートウェイの出力はどちらも平文で扱う。

報告によると、ゲートウェイの出力の資産IDは、ネットワークに登録済みの資産に対応していなければならない。ところがHF6のコードでは、ネイティブコインの識別子としか照合していなかった。攻撃者は特殊な値を計算することで残高の証明を通しつつ、任意の額を持つ隠れた出力を作れたという。

こうして作られたコインは正規のZANOと同じように機能し、通常どおり送金できた。報告が示した経緯を表にまとめた(日付はUTC)。

日付出来事
8月28日攻撃者がゲートウェイアドレスを登録(登録料100ZANOを焼却)
8月29日1回目の不正発行。2の64乗単位(約1,840万ZANO)を1件の取引で発行。これに先立ち、存在しない資産を載せた取引も実行
9月24日攻撃者が自身のゲートウェイアドレスに0.05ZANOずつ2回入金
9月25日ZANOとfUSDを2の64乗単位ずつ追加で発行。同日、内部の分析ツールが検知
Zanoの技術報告をもとに作成

これらは発行された総量で、Zanoのエコシステムに流入したのはその一部だとしている。

ゲートウェイアドレスの脆弱性について技術報告を公開したZanoのX投稿

Zano、不正なコインを追跡できずチェーン再開を選択

HF6の公開前には、AIを使ったテストやチームの監査、バグ報奨金制度を実施していたが、脆弱性は見つからなかった。不正な出力は通常の秘匿された出力と見分けがつかず、発見まで約1カ月かかったという。

追跡も困難だった。ブロック3,878,388の時点で、3件の不正発行にリング署名を通じてつながりうる出力は11万7,941件、それらを生んだ取引は6万5,301件にのぼる。報告はこれを「プライバシーが意図どおりに機能している」結果だとし、チームを含め誰も影響を受けた出力を正確には特定できないとした。

そのため同チームは9月27日、HF6の直前のブロック3,833,000からチェーンを再開したと発表した。同じ高さで有効になるHF7でゲートウェイアドレスを無効にし、不正なZANOとfUSDをすべて取り除く。この期間の取引、ステーキング報酬、採掘されたブロックは新しいチェーンに含まれない。

USDTやDAIなど、別のネットワークで決済済みの支払いは巻き戻せない。同チームは損失の補償と請求の手続きを公表するとしている。

利用者の資金や秘密鍵、取引の秘匿性は侵害されていないという。イーサリアム上のwZANOも影響を受けておらず、ブリッジは停止中だ。ゲートウェイアドレスは、コードを時間をかけて再評価・監査するまで無効のままとなる。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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