ロシア財務省は2日、職員の一部が1日に初めてデジタルルーブルで給与を受け取ったと発表した。デジタルルーブルは、暗号資産(仮想通貨)とは異なり、ロシア中央銀行が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)だ。職員は受け取りのため、ロシア中央銀行のプラットフォームにデジタルルーブルの口座を開設した。
ロシアのデジタルルーブル、9月から本格利用──給与での受け取りは希望制
ロシアでは9月1日、デジタルルーブルの本格的な利用が始まった。大手銀行と大手小売企業が、デジタルルーブルでの送金や支払いのインフラを顧客に開放している。
財務省によると、給与をデジタルルーブルで受け取る方法は、すべてのロシア国民が選べる。受け取るかどうかは本人の希望による。
予算への組み込みは、ロシア中央銀行と財務省が共同で進めている。財務省と連邦財務局は2025年、連邦予算の支出で初めてデジタルルーブルによる決済を行った。試験運用として給与や奨学金を支払い、一部の政府調達の決済にも使い、同年の取引総額は約1,600万ルーブル(約3,008万円)だった。
今年1月からは、連邦予算の支出にデジタルルーブルを使える範囲の制限がなくなった。
- 連邦の国庫機関・予算機関・自治機関は、デジタルルーブルで自由に決済できる
- 連邦の予算機関と自治機関は、サービスの代金をデジタルルーブルで受け取れる
- 国の予算への支払いも、デジタルルーブルで行える
日本銀行のCBDC、技術面の致命的課題は確認されず──発行は未決定
日本では、日本銀行が2023年4月から、一般利用型のCBDCに関する実証実験「パイロット実験」を進めている。日銀が構築した実験用システムでの技術的な検証と、民間事業者との議論の場「CBDCフォーラム」の2本立てで行う。
日銀が6月10日に公表した進捗報告書によると、実験用システムでは、残高を更新する取引を毎秒1万件、残高を照会する取引を毎秒4万件、合わせて毎秒5万件の負荷を処理できることを確認した。
報告書は、オンライン決済を前提とすれば、社会実装に向けて技術的な観点でノックアウトファクター(致命的で解決できない要因)は見つかっていないとしている。一方で、日本でCBDCを発行するかどうかは現時点では決定しておらず、今後の国民的議論の中で決まっていくものだとしている。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ルーブル=1.88円)



