ブロックチェーンプロジェクト「Harmony(ハーモニー)」は17日、ネイティブトークンONEの約3兆枚の不正発行を受け、メインネットを攻撃発生前の状態へ戻すロールバック計画を発表した。復旧では被害が確認されたShard 0に加え、Shard 1も同じ時点まで巻き戻す方針だ。
クロスシャドー・レシート再利用で不正発行が可能に
ハーモニーが13日に公表したインシデント報告によると、攻撃者は6件の偽造されたクロスシャード取引を通じ、4つのウォレットへ合計約3兆ONEを不正発行したという。最初に確認された不正ミントは、Shard 0のブロック92,730,036で発生している。
同社の調査では、シャード間の送金処理に使われる「クロスシャード・レシート」を処理後も再利用できる脆弱性が確認されたという。その結果、送信元のONEを減らすことなく、宛先側でONEを新たに増やせる状態になっていた。
ハーモニーはメインネット版「v2026.1.1」で脆弱性への対策を実施。必要数のバリデーターがアップグレードした後、対策はメインネット上で有効となり、追加の不正発行を防げる状態になったと説明した。
個別修復は無関係資金への影響を考慮して断念
今回のロールバック計画では、Shard 0をブロック92,730,034、Shard 1を94,978,278まで巻き戻す。いずれも2026年8月11日23時25分37秒(UTC)時点の状態にあたる。
こうした復旧にあたり、ハーモニーは不正ONEの個別バーンや取引復元も検討したものの、資金が取引所やDEXなどへ広く移動しているため、無関係な利用者への影響を避けるのは難しいと判断。同社は一律のロールバックが「最も公平かつ安全」と説明した。
具体的な復旧方法としては、攻撃前の状態を保存したデータベースを各シャードに適用し、それ以降に生成されたブロックを破棄する。現在、複数のバリデーターがすでに復旧手順をテストしており、ハーモニーは検証結果を反映した作業手順も公開しているという。
一方、ロールバックに伴う影響については、取引所やブリッジと調整を続けているという。あわせて、攻撃者についても取引所、ブリッジ、法執行機関と連携し、追跡を進めている状況だ。
ネットワークがいつ再開するかについては、今回の発表では明らかにされていない。今後は、ロールバック後のネットワーク再開時期はもちろん、取引所・ブリッジとの調整がどのように進むかが焦点となりそうだ。
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