イスラエルの暗号資産(仮想通貨)ブローカー、Bits of Gold(ビッツ・オブ・ゴールド)は、外部からの不正アクセスにより顧客の個人情報が流出した可能性があると公表した。同社が8月17日時点で更新した案内によると、氏名やイスラエルのID番号、銀行口座の詳細などが対象になっている。
データ分析システムに不審なアクセス
同社によると、数日前にデータ分析システムへの不審なアクセスを検知した。世界中の他社にも影響を及ぼしている大規模なサイバー事案の一環だとしている。検知後ただちにアクセスを遮断し、システムをデータソースから切り離した。
調査はサイバー事案の調査と対応を専門とする企業とともに進めており、当局にも報告済みだという。重要な事実が新たに判明した場合は、顧客に直接連絡するとともに案内を更新するとしている。
ID番号と銀行口座情報が対象、秘密鍵は保持せず
流出した可能性がある情報として同社が挙げたのは、氏名、IPアドレス、メールアドレス、電話番号、銀行口座の詳細、イスラエルのID番号、そして該当する場合の公開ウォレットアドレスである。銀行口座の詳細にログイン情報は含まれない。
一方、パスワードや認証コード、秘密鍵は流出していない。身分証明書の画像、クレジットカードの完全な情報とCVVコードも対象外だ。同社はこれらのうち秘密鍵、カードの完全な情報、CVVコードについては、そもそも保持していないと説明する。顧客の資金や口座、ウォレット、デジタル資産にも影響はないとしている。
影響を受けた顧客には、個別にメールで通知した。
資金移動を求める連絡は詐欺
同社が案内の大半を割いているのが、流出した情報を悪用した詐欺への警戒だ。攻撃者は入手した連絡先を使って情報元の企業になりすますとして、本物の氏名や電話番号、ID番号が記載されていても、それは同社が送った証拠にはならないと強調している。
同社が絶対に行わない行為として、パスワードや二要素認証コードの要求、「安全な」ウォレットや口座への資金・デジタル資産の移動の指示、ウォレットの接続要求、エアドロップや補償の提示、遠隔操作ソフトの導入要求、時間を区切って行動を迫ることを列挙した。
正規のメールに添付ファイルは付けず、本文中のリンクからログインさせることもないという。
推奨事項としては、二要素認証をSMSではなく認証アプリか生体認証に切り替えることを挙げる。電話番号が流出した可能性があるため、SMSは最も弱い選択肢になるとしている。公開ウォレットアドレスが流出した顧客には、新しいアドレスの使用と、資産を単一の可視アドレスに集約しないことを勧めた。
脅迫や金銭を要求するメッセージが届いた場合は、返信も支払いもせず、イスラエル警察に通報するよう求めている。
影響人数は公表せず
影響を受けた顧客の人数について、同社は明らかにしていない。イスラエル経済紙カルカリストによれば、同社の登録顧客は約30万人で、従業員は約55人。資本市場庁から暗号資産取引のライセンスを取得した9社のうち、現時点で稼働している最初の企業にあたる。
同紙は、今回の事案が同社の利用するソフトウェア企業への侵害を起点としたもので、世界で数百社が影響を受けたとみられると報じた。現時点で他のイスラエル企業の被害は確認されておらず、同社が直接の標的だったとは考えられていないという。
侵害を受けたソフトウェア企業の名称は公表されていない。
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