CoinbaseやMagic EdenがReservoirの技術を導入
マルチチェーン対応のトークン取引インフラを開発する「Reservoir(リザーバー)」は5日、シリーズAで1,400万ドル(約21億円)の資金調達に成功したと発表した。このラウンドは「Union Square Ventures(ユニオン・スクエア・ベンチャーズ、以下USV)」がリードし、「Variant(ヴァリアント)」、「Archetype(アーキタイプ)、「Square Peg Capital(スクエア・ペグ・キャピタル)」などの著名な投資家が参加した。
今回の調達資金は、リザーバーのインフラを強化し、より多くのブロックチェーンでのトークン取引をサポートするために使用される。
現在、ブロックチェーン業界ではBitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Solana(ソラナ)をはじめとする複数のチェーンが並立し、それぞれのチェーンが独自のエコシステムを形成している。しかし、異なるチェーン間でのトークン取引は依然として煩雑であり、クロスチェーンの流動性確保が課題となっている。リザーバーはこの問題を解決するため、DEX(分散型取引所)やスワップ、ブリッジのインフラを提供し、ブロックチェーン間のスムーズな資産移動を実現することを目指している。
過去3年間でリザーバーは、NFT取引のインフラとしても確立されており、「Coinbase(コインベース)」、「Magic Eden(マジックエデン)」、「MetaMask(メタマスク)」などの主要なプラットフォームが同社の技術を採用している。今回の資金調達により、NFT分野にとどまらず、トークン取引全般のインフラを強化し、より広範なブロックチェーンエコシステムを支える体制を整えていく方針だ。
リザーバーの提供する主要プロダクトの一つが「Reservoir Swap(リザーバースワップ)」だ。これは、「Uniswap(ユニスワップ)」の公式デプロイメントを提供し、あらゆるEVMチェーン上でのスワップや流動性提供を可能にする。また、同社の「Relay(リレー)」は、ソラナ、ビットコイン、Tron(トロン)、42以上のEVMチェーン間での即時スワップやブリッジを実現し、トークンの流動性を向上させる。
USVのパートナーであるニック・グロスマン氏は、今回の資金調達について「オンチェーン エコシステムがますます複雑になるにつれ、開発者とユーザーの体験をよりシンプルで高速かつ直感的にするツールが求められる。リザーバーはまさにこの課題に対応し、ブリッジングやスワッピングなどのオンチェーン・アクションをシームレスにするツール群を提供することで、エコシステムの成長を後押ししている」とコメントしている。
今回の資金調達を通じて、リザーバーはより多くのチェーンやプロジェクトとの統合を進め、次世代のWeb3エコシステムで不可欠なインフラとしての地位を築いていくと考えられる。異なるブロックチェーンが共存する未来において、リザーバーが果たす役割はますます重要になるだろう。
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