戦略的買収でステーキング市場での影響力強化
Solana(ソラナ)バリデータ事業を展開するカナダの上場企業「Sol Strategies Inc.(ソルストラテジーズ)」は、ソラナブロックチェーンのインフラ拡充を目的として、新たに3つのバリデータを買収する最終契約を締結したと発表した。今回の買収には、「Laine(レイン)」をはじめとする主要なバリデータ運営者と、ソラナステーキング情報サイト「Stakewiz.com(ステークウィズ・ドットコム)」が含まれており、同社のバリデータ事業の規模を大幅に拡大する。
今回の買収は、ソルストラテジーズが2月14日に発表した非拘束的意向書(LOI)に基づくものであり、これによりソラナ上での委任済みステーク量は合計330万SOL(約7.06億カナダドル相当)に達する。これは、2月末時点と比較して約101%の増加となり、同社のステーキング事業における市場支配力を強化するものとなる。
ソルストラテジーズは、2024年12月20日にも、「Orangefin Ventures(オレンジフィン・ベンチャーズ)」が運営する3つのバリデータ(検証者ノード)を買収する契約を締結しており、これにより委任済みSOLは約150万SOLに拡大していた。さらに、2月14日のLOIでは、120万SOLの追加ステーキングを伴うソラナ最大級のバリデータの買収を計画しており、その合計は290万SOLとなる見込みだった。そして、今回のレインを含む3つのバリデータの買収によって、最終的に委任済みSOLは330万SOLに達する。
買収額は総額3,500万カナダドルで、内訳は500万カナダドルの現金またはステーブルコイン、ソルストラテジーズの普通株500万株(1株3.00カナダドル)、さらに1年後に追加で500万株発行、さらに450万株の普通株式購入ワラント(1株2.98カナダドルで行使可能)が含まれる。
また、この買収の一環として、レインの創業者であるマイケル・ハバード氏がソルストラテジーズの最高戦略責任者(CSO)に就任する。ハバード氏は、ソラナのステーキングエコシステムにおいて重要な役割を果たしてきた人物であり、ステークウィズ・ドットコムを運営するなど、バリデータの分析やステーキング情報の提供にも貢献してきた。彼の技術力と戦略的な視点が加わることで、ソルストラテジーズのバリデータ事業のさらなる成長が期待される。
今回の買収によって、ソルストラテジーズのステーキング事業はさらなる収益増加が見込まれており、2月14日のLOI時点で、年間860万カナダドルの純利益貢献が見込まれていた。これにより、同社はソラナエコシステム内での主要なステーキングプロバイダーとしての地位をより確立することとなる。
一方で、一企業が管理するステーク量の拡大は、ソラナネットワークにおける集中リスクの議論を呼ぶ可能性がある。しかし、ソルストラテジーズは、インフラ投資や技術開発を進めることで、ネットワーク全体のパフォーマンス向上に寄与するとしている。同社は今後も規制遵守を前提にネットワーク成長に寄与しつつ、自社の収益基盤と市場での影響力をさらに高める方針である。
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