米国で3日(米国時間)に投開票された中間選挙で、民主党が上院と下院の両方で多数を獲得した。AP通信とNBCニュースが報じた。2027年1月に始まる新しい議会では、民主党が両院で多数党として委員長の座を握る。暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定めるクラリティ法案は上院で審議入りできないままで、現議会が2027年1月3日に終わるまでに両院で可決されなければ廃案となる。
米中間選挙、民主党が上院で少なくとも7議席を奪取
AP通信の速報を伝えた米公共放送PBSによると、民主党は上院で共和党から少なくとも7議席を奪った。カンザス、アイオワ、テキサス、オハイオ、メイン、ノースカロライナ、サウスカロライナの7州だ。
NBCニュースによると、米東部時間4日未明の時点で、アラスカとミシシッピの上院選は勝者が決まっていない。
AP通信によると、下院は選挙前、共和党と同じ会派の議員が219人いた。NBCニュースは、数議席の上下はありうるとしつつ、民主党が過半数の218議席を上回る少なくとも258議席を得ると見込む。
フランスの放送局フランス24によると、民主党は、トランプ大統領一族による暗号資産業界への巨額の投資や、暗号資産への投資が外国から大統領に影響を及ぼす経路になったかどうかの調査を求めている。同局によると、下院監視・政府改革委員会の民主党筆頭、ロバート・ガルシア議員は、新議会で同委員会を率いる見込みだ。
クラリティ法案、現議会で可決されなければ廃案
クラリティ法案(H.R.3633)は、2025年7月17日に下院を294対134で通過した。米下院書記官の記録によると、共和党216人に加えて民主党からも78人が賛成し、反対の134人はすべて民主党だった。
上院では9月15日、審議入りの動議について討論を打ち切る採決が49対50で否決された。必要な60票に11票届かず、民主党からは賛成票が出なかった。共和党のスーザン・コリンズ、ジョシュ・ホーリー、ジェリー・モランの3議員も反対に回った。
共和党のトム・ティリス議員の反対は、再考動議を出す権利を確保するための手続き上の投票で、法律事務所Orrick(オリック)によると、法案を再び取り上げる道を残している。
| 採決 | 日付 | 結果 | 民主党 | 共和党 |
|---|---|---|---|---|
| 下院の可決 | 2025年7月17日 | 294対134で可決 | 賛成78・反対134 | 賛成216・反対0 |
| 上院の審議入り(討論の打ち切り) | 2026年9月15日 | 49対50で否決(60票必要) | 賛成0 | 賛成49・反対4 |
上院銀行委員会で民主党の筆頭を務めるエリザベス・ウォーレン議員は、採決前に反対を表明していた。政府高官の暗号資産投資への規制や消費者保護が不十分だとしている。
米議会は2年を1つの期として区切られ、現在の第119議会は2027年1月3日まで続く。期が終わるまでに両院で可決されなかった法案は廃案になる。新しい議会で同じ内容を成立させるには、法案を出し直したうえで、両院で改めて可決する必要がある。
JinaCoinの予測市場データによると、ポリマーケットの市場では、クラリティ法案が2026年に成立する確率は執筆時点(日本時間4日18時)で3.1%だった。9月の採決直前の14日(日本時間)には一時30%を超えていたが、否決後の16日には5%前後まで下がっていた。
GENIUS法と当局の規則づくり、人事の承認
ステーブルコインを規制するGENIUS法(ジーニアス法)は2025年7月に成立済みの法律で、今回の選挙結果で廃案になるものではない。
米通貨監督庁(OCC)は10月21日、同法を実施するステーブルコイン発行者の最終規則を発表した。最終規則とGENIUS法は2027年1月18日に施行される。
米証券取引委員会(SEC)の暗号資産のルール案は10月に意見募集を終え、米商品先物取引委員会(CFTC)は10月、個人向けのレバレッジ取引の規則づくりに向けて意見募集を始めた。
日本では7月、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法に移す改正法が公布された(暗号資産の規制トラッカー)。
上院は、大統領が指名するSECやCFTCの委員を承認する権限を持つ。2027年1月以降、これらの人事は民主党が多数を占める上院で承認を得る必要がある。
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