メタプラネット、BTC購入の資金を80億円上積み──短期下落が続き様子見の局面

メタプラネット、BTC購入の資金を80億円上積み──短期下落が続き様子見の局面 2026/11/04
JinaCoin編集部
10 Min Read
直近相場の分析ポイント
  • 社債80億円の前倒し返済と自社株買いが進む一方、BTC Yieldは低下し、完全希薄化後の1株あたりSatsは減少した
  • 短期的な下落が継続。日足短期HMAを上抜けするまでは、中期的な下落リスクが残る
  • 4時間足レベルで下落圧減少となれば、段階的に上昇にシフトする戦略が見えてくる

メタプラネット(3350) 株価材料と今後の見通し

ビットコイン価格の動向

  • 現在価格:(11月4日7時33分〜35分頃確認・日本時間)
    • ドル建て:77,723.05ドル
    • 円建て:12,333,685円
  • 変動率:(24時間)
    • ドル建て:+1.3%
    • 円建て:+1.3%

BTCは7万7,000ドル台で推移し、直近24時間では1.3%の上昇となった。ただし、前回確認時(11月2日朝)の77,619.79ドルとほぼ同水準にとどまっている。

市場では、海外の大手取引所バイナンス(金融庁に登録のない海外の事業者)で約63億ドル相当の暗号資産が盗まれる事件が起きた。FBIは北朝鮮による犯行としている。バイナンスは出金を2日あまり止めたあと11月1日に再開し、損失を自社の資金で補うと表明している。出金再開後の純流出は預かり資産の約3%にとどまったと説明しているが、事件の影響が市場全体に広がるかは、引き続き確認したい。

メタプラネットでは、BTC価格の変動が保有BTC評価額を左右する。今週は米雇用統計を控えており、結果を受けたBTCと為替の反応が、円換算の評価額にどう波及するかが注目点となる。

  • mNAV:0.63倍
  • Bitcoin NAV:約5,426億円
  • 前回確認時からの変化:mNAVは0.62倍から上昇。Bitcoin NAVは約5,373億円から約53億円増加

株価が10月30日の244円付近から11月2日には250円付近へ上昇し、mNAVは0.63倍とわずかに上がった。BTC価格がほぼ同水準のなか、保有BTC評価額も小幅な増加にとどまっており、前回からの変化は大きくない。

mNAVは引き続き1倍を下回っており、株式の時価総額が保有BTC評価額を下回る状態が続いている。今後は、BTC価格や為替による評価額の変化に加え、自社株買いや転換社債といった資本政策を株価がどう織り込むかを確認したい。mNAVの水準だけで、株価の割安・割高や売買の方向を決めることはできない。

BTC Yield・1株あたりBTC

  • BTC Yield:年初来+17.51%、四半期−3.68%
  • 1株あたりBTC:0.000032BTC
  • BTC保有量:44,000BTC
  • 前回確認時からの主な変化:BTC Yieldは年初来+22.00%、四半期+0.00%から低下。1株あたりBTCの表示とBTC保有量は前回と同じ

BTC保有量は44,000BTCで変わらない一方、BTC Yieldは年初来・四半期ともに低下した。1株あたりBTCの表示は前回と同じだが、自己株式を除く株式数で見た1株あたりSatsは、希薄化前で3,225から3,470に増えた。一方、完全希薄化後では2,933から2,825に減っている。

希薄化前の増加は、10月の自社株買いで自己株式を除く株式数が減ったことと合う。一方、BTC Yieldは完全希薄化後の株式数で計算する指標で、保有量が同じまま完全希薄化後の1株あたりSatsが減ったことは、潜在株式を含む株式数が増えたことを示している。何が反映されたかは、今後の開示で内訳を確かめたい。

メタプラネット株では、資本政策を「株式数が減る効果」と「将来株式が増えうる効果」に分けて見ることが重要になる。今後のBTC購入や株式転換が、1株あたりBTCにどう影響するかが注目点となる。

企業動向・株価指標

  • 第20回普通社債:総額80億円を11月2日に全額繰上償還(手元資金で完済)
  • 第27回新株予約権の資金使途:社債の返済分80億円をビットコインの購入に戻し、購入に充てる額は334.22億円に
  • 自己株式の取得:10月14日〜31日に9,644万7,400株、約252億6,903万円(取得枠600億円の42.12%)

メタプラネットは11月2日、2027年4月が償還期日だった80億円の社債を前倒しで返済したと開示した。無利息の社債で、2026年12月期の連結業績への影響は軽微としている。あわせて、第27回新株予約権で調達する資金のうち社債の返済に充てる予定だった80億円を、ビットコインの購入に戻した。

ただし、第27回新株予約権は10月の行使が0株で、購入に充てる額が増えても、実際の調達は今後の行使状況による。自社株買いで自己株式を除く株式数を減らす一方、新株予約権や転換社債は将来の株式数を増やしうるため、両方の動きを合わせて見る必要がある。転換社債(総額520億円)は、11月4日朝の時点で払込完了を示す開示は出ておらず、11月に予定する借入金の返済とあわせて引き続き確かめたい。

今後の重要イベント・経済指標

  • 11月6日22時30分(日本時間):米10月雇用統計
  • 11月12日:転換社債の新株予約権の行使期間が始まる予定

11月4日0時(日本時間)に発表された米9月の雇用動態調査では、求人件数が750万件とほぼ横ばいだった。今週は、雇用者数・失業率・賃金の変化を示す米雇用統計が次の材料となる。

雇用や賃金の強さが金融引き締めへの警戒につながればBTCの逆風となる可能性がある一方、弱い結果でも景気への懸念が強まる場合があり、影響を一方向に決めつけることはできない。発表後の金利・為替とBTCの反応を確かめたい。

メタプラネットに関わる日程では、11月12日から転換社債を株式に転換できる期間が始まる予定だ。転換価額は当初339円で、11月2日の株価を上回っている。転換による株式数の変化は、1株あたりBTCを見るうえで確認したい点となる。

ファンダメンタル分析の総評

BTCは直近24時間で上昇したものの、前回確認時とほぼ同水準にとどまり、保有BTC評価額とmNAVの変化も小幅だった。バイナンスの事件の影響と、米雇用統計を受けたBTC・為替の反応が、当面の評価額を左右する可能性がある。

企業面では、社債の前倒し返済と自社株買いで負債や自己株式を除く株式数を減らす動きが進む一方、BTC Yieldは低下しており、完全希薄化後の1株あたりSatsは減っている。11月12日からの転換社債の転換期間や新株予約権の行使状況を含め、資本政策が1株あたりBTCにどう影響するかを、株式数が減る効果と増えうる効果に分けて見極めたい。

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メタプラネットの主要指標・用語解説
  • Bitcoin NAV(ビットコインNAV):
    メタプラネットが保有するビットコインの時価総額を示す指標です。BTC価格が上昇すればBitcoin NAVも増加し、下落すれば減少します。
  • mNAV:
    メタプラネットの企業価値(EV)が、Bitcoin NAVの何倍で評価されているかを見る指標です。1倍を上回ればBitcoin NAVより高く、1倍を下回ればBitcoin NAVより低い企業価値で評価されている状態を示します。ただし、mNAVだけで株価の割高・割安を判断することはできません。
  • BTC Yield(BTCイールド):
    株式数の増加も考慮しながら、1株あたりのビットコイン保有量が一定期間でどれだけ増減したかを見るメタプラネット独自の指標です。計算には、新株予約権などが株式になった場合も考慮した「完全希薄化後株式数」が使われます。一般的な利回りを意味する「Yield」とは異なり、株式投資の収益率を示すものではありません。
  • 1株あたりBTC:
    メタプラネットのBTC保有量を株式数で割り、1株あたりどれだけのビットコインを保有しているかを見る指標です。メタプラネット公式Trackerでは「1株あたりSats」として、通常の株式数と完全希薄化後株式数の両方が掲載されています。
  • 株式の希薄化:
    新株発行や新株予約権の行使などによって株式数が増え、既存株主の1株あたりの持ち分が小さくなることです。メタプラネットでは、BTC保有量だけでなく、株式数の増加を考慮した1株あたりBTCの変化も重要になります。
  • PBR(株価純資産倍率):
    株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍まで評価されているかを見る指標です。「株価÷BPS」で計算され、一般的に株価と企業の純資産との関係を確認する際に使われます。日本取引所グループ
  • PER(株価収益率):
    株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで評価されているかを見る指標です。「株価÷EPS」で計算され、企業の利益に対して現在の株価がどの水準にあるかを確認する際に使われます。日本取引所グループ
  • EPS(1株あたり利益):
    企業の純利益を株式数で割り、1株あたりでどれだけ利益を生み出したかを示す指標です。一般的にEPSが増加すれば、1株あたりの利益が成長していることを意味します。日本取引所グループ
  • BPS(1株あたり純資産):
    企業の純資産を株式数で割り、1株あたりにどれだけの純資産があるかを示す指標です。PBRを計算する際にも使用されます。日本取引所グループ
  • ROE(自己資本利益率):
    株主から集めた資本を使って、企業がどれだけ効率よく利益を生み出しているかを見る指標です。数値が高いほど資本を効率よく利益につなげていることを示します。
  • 新株予約権:
    あらかじめ決められた条件で会社の株式を取得できる権利。行使によって新しい株式が発行される場合、既存株主の1株あたりの持分に影響する可能性がある。
  • 転換社債:
    一定の条件で、発行会社の株式に転換できる社債。株式への転換が進むと、株式数が増える場合がある

メタプラネット(3350) チャート分析

メタプラネット日足チャート-2026年11月4日
メタプラネット日足チャート-2026年11月4日
メタプラネット4時間足チャート-2026年11月4日
メタプラネット4時間足チャート-2026年11月4日
メタプラネット1時間足チャート-2026年11月4日
メタプラネット1時間足チャート-2026年11月4日
直近のエントリーポイント
  • エントリー方向:ロング(長期目線)
  • エントリーポイント:(チャート上Ⓐ)
    • 日足短期HMA及び1時間足長期HMAを上抜けし、両ラインを維持
    • 段階的に日足中期HMA、4時間足長期HMA、日足一目均衡表雲を上抜け
    • 4時間足及び1時間足レベルで上昇のダウ理論が成立
  • 利確目安:(チャート上Ⓑ)
    • 日足ボリンジャーバンドアッパーバンド付近(330円から340円付近)
  • 損切り目安:
    • エントリー時点での直近安値

メタプラネットは2日、241円付近から取引を開始した。取引開始直後に4時間足ボリンジャーバンドロワーバンドで反発し、1時間足中期HMA付近まで上昇。最終的に250円付近で取引を終了した。

現状、1時間足中期HMA付近で上昇を止められ、下落に転じる値動きとなっていることから、チャート配置的には1時間足レベルでの戻り形成からの下落再開の可能性が高い。そのため、1時間足中期HMAを明確に上抜けできずに推移する場合は、日足で意識される232円付近までの下落が想定される。

一方、1時間足レベルで売り圧減少が進み、1時間足中期HMAを上抜けできれば、短期的な下落リスクは減少方向に向かう。さらに、直上に控える日足短期HMA及び1時間足長期HMAを上抜けすることで、中期的にも下落圧減少となると思われる。

上記の配置となり、日足短期HMA及び1時間足長期HMAを維持する値動きとなれば、短・中期の下落リスクが大幅に減少するため、上昇の可能性が見えてくるだろう。しかし、価格上部には日足中期HMA及び4時間足長期HMA、日足一目均衡表雲が控えていることから、これらを段階的に上抜けしなければならない。また、上抜け後に4時間足レベルで上昇のダウ理論が成立しなければ、上昇とは判断できない。

逆に、上記の条件が揃えば中期的にも上昇に転じたと判断できることから、1時間足レベルで上昇のダウ理論が成立した後、日足ボリンジャーバンドアッパーバンド付近(330円から340円付近)までのロングポジションを検討できるだろう。

長期的には、価格下部に日足長期HMAが控えているため、このラインを明確に下抜けしない限り、本格的な弱気相場にはならないと思われる。しかし、日足一目均衡表雲を上抜けするまでは下落優勢の相場が続くため、短・中期が上昇にシフトするまでは判断を避け、現状は様子見に徹するべきと考える。

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チャート設定(使用インジケーター一覧)
  • ハル移動平均線
    • 20EMA:ピンク(短期HMA)
    • 80EMA:水色(中期HMA)
    • 320EMA:緑(長期HMA)
  • ボリンジャーバンド
    • 1時間足:期間200、偏差2.5
    • 4時間足・日足:期間50、偏差2.5
  • 一目均衡表(雲のみ表示)
    • 転換線:9
    • 基準線:26
    • 先行スパン:52
  • ・MACD(クリスマニング氏の設定値)
    • 短期EMA:9
    • 長期EMA:17
    • シグナル:7
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