決済大手「Stripe」、仮想通貨ウォレット基盤「Privy」を買収──独立運営は継続

ヤマダケイスケ
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両社のデジタル金融戦略を加速させる買収

暗号資産(仮想通貨)ウォレットプロバイダーの「Privy(プリヴィ)」は11日、オンライン決済サービス大手の「Stripe(ストライプ)」によって買収されたことを発表した。買収手続きは今後数週間以内に完了する見通しとなっているが、具体的な買収額や買収条件については明らかにされていない。

プリヴィはストライプを選んだ理由として、「同社が持つプロダクトへの情熱やクラフトマンシップに対する献身、そして新たな金融の世界を思い描く意欲に強く共感した」と公式ブログで述べている。今回の買収により、両社は仮想通貨と法定通貨の境界を取り払い、よりシームレスなデジタル金融体験を構築するという共通のビジョンの実現を加速させる構えだ。

また、プリヴィは今後も独立した製品として運営を継続する方針であり、既存顧客へのサービスやコミットメントには変更がないと強調している。従来の形で製品開発が進むことはもちろんだが、ストライプの傘下に入ったことにより、双方向の機能開発や、将来的な統合といった機能拡張の可能性も広がると推測される。

ストライプのCEOであるパトリック・コリソン氏は、公式Xでプリヴィに対する歓迎の意を表明した。同氏は「プリヴィは世界最高峰のプログラム可能な金庫を構築している」と同社を高く評価。自社が取り組むステーブルコイン関連の取り組みと絡めた、グローバルかつインターネットネイティブな金融サービスの実現に期待を寄せている。

ストライプは今年2月、ステーブルコイン決済を手がける「Bridge(ブリッジ)」を11億ドル(約1,584億円)で買収したことでも大きな話題を呼んだ。こうした一連の動きは、同社が仮想通貨領域への注力を強めているともいえるだろう。プリヴィの買収もこの流れの延長線上にあり、仮想通貨関連事業のさらなる拡大につながる可能性が高い。

今回の買収は、決済サービスを通じて仮想通貨がより広く一般に浸透していくための重要な一歩となるだろう。両社の強い連携により、従来の金融と仮想通貨の垣根がますます低くなっていく未来に期待したい。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.06円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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