ナスダック申請を受け、SECが正式審査に着手
米証券取引委員会(SEC)は4日、大手証券取引所「Nasdaq(ナスダック)」から提出された、暗号資産(仮想通貨)SUI(スイ)に連動するETF(上場投資信託)「21Shares SUI ETF(21シェアーズ・スイ・ETF)」の上場申請を正式に受理した。
ナスダックは2025年5月23日付で、「21Shares SUI ETF」の上場および取引を可能にするための規則変更案をSECに提出していた。今回の申請受理により、SUIのETF実現に向けた手続きが一歩進んだ形となる。
ナスダックは申請書類の中で、本ETFの上場が「投資家保護と公益に資するものであり、詐欺的行為や市場操作を防ぐための規則にも適合している」と主張。過去のビットコインETFやイーサリアムETFの承認事例を挙げ、SUI市場の規模や特性、継続的な取引実態などが市場操作のリスクを十分に軽減するものであると説明している。
SECは今後、提出された申請内容やパブリックコメントを考慮し、本ETFの上場を承認するか否かを判断することになる。掲載から45日以内に承認、不承認、または審査期間延長の判断が下される見込みだ。ただし、これまでに申請された仮想通貨ETFの多くは、SECによって審査期間が延長されており、本ETFについても同様に期間が延びる可能性がある。
仮想通貨ETFの申請プロセス
ETFの上場プロセスにおいては、一般的にまず発行体(今回の場合は21シェアーズ)がSECに対して「S-1申請書(Form S-1、登録届出書)」を提出する。21シェアーズは、2025年4月30日付で本ETFに関するS-1申請書を提出していた。
その後、対象のETFを取り扱う証券取引所(今回はナスダック)がSECに対して規則変更申請(通称「19b-4申請書」)を提出し、承認を得る必要がある。ナスダックは5月23日にこの規則変更申請を提出。今回、SECがこれを受理してパブリックコメントの募集を開始したという流れだ。
今後、この19b-4申請がSECによって承認されれば、最終的にS-1申請書が有効となり、ETFの取引が開始される。
米国ではすでにリップル(XRP)やソラナ(SOL)など、有力アルトコインの現物ETFが実際に申請されている。どの仮想通貨がビットコイン・イーサリアムに次ぐ「3番目の現物ETF」となるのか、今後も注目を集めそうだ。
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