10億人のテレグラムユーザーを巻き込むブロックチェーンの進化
暗号通貨(仮想通貨)取引所「OKX(オーケーエックス)」の投資部門である「OKX Ventures(オーケーエックス・ベンチャーズ)」は20日、Telegram(テレグラム)上で最大のEVM(Ethereum Virtual Machine)ブロックチェーンである「DuckChain(ダックチェーン)」への戦略的投資を発表した。投資額は公表されていない。
発表によると、OKXベンチャーズがダックチェーンに投資を決定した理由は、ダックチェーンが世界有数のメッセンジャーアプリ「テレグラム」の10億人以上のユーザー基盤を活用し、Web3への大規模な普及を可能にする独自のポテンシャルを持っている点にある。
DuckChainとは
ダックチェーンとは、テレグラムユーザー向けに設計されたブロックチェーンであり、イーサリアムのレイヤー2「Arbitrum(アービトラム)」上に構築されている。「Arbitrum Orbit(アービトラム・オービット)」と呼ばれるツールパッケージを活用し、レイヤー2上に独自のレイヤー3チェーンを開発した。この技術により、ダックチェーンはイーサリアムのセキュリティを基盤にしながら、高いスケーラビリティと柔軟性を提供し、テレグラムユーザーに特化した独自のエコシステムを構築している。
さらに、ダックチェーンは既存のWeb2機能とWeb3技術を統合し、テレグラムユーザーに対してAI駆動型ツールや分散型アプリケーション(dApps)を提供することで、新しい体験の創出を目指している。
ダックチェーンの主な特徴は以下のとおり。
- 膨大なユーザー基盤
ダックチェーンは、すでに2,000万人以上のアクティブユーザー、6,100万件以上のトランザクション、900万件以上のウォレットを有する。テレグラムの広大なユーザーベースを活用することで、Web3の導入を数十億人規模に拡大することを目指している。 - AIを活用したエコシステム
ダックチェーンは、AIを活用してブロックチェーン技術のアクセシビリティを向上させている。これにより、パーソナライズされたDeFi(分散型金融)分析、自動化された支援機能、合理化されたガバナンスを実現し、誰でも直感的に利用できるWeb3体験を提供している。 - クロスチェーン相互運用性
ダックチェーンは、テレグラムをはじめ、イーサリアムその他の主要エコシステムとの相互運用性を備えている。これにより、開発者は簡単にdAppsを展開でき、ユーザーは異なるプラットフォーム間でシームレスにトランザクションを行えるようになっている。 - コミュニティ中心のガバナンス
独自トークン「DUCK」の77%をコミュニティに割り当てている。これにより、ユーザーやトークン保有者がAIを活用した透明性の高い意思決定を行い、エコシステムの形成に参加できる仕組みが整えられている。
ダックチェーンは、AI技術とブロックチェーンを融合し、既存のテレグラムユーザー基盤を活用することで、Web3の新たな可能性を切り開くプロジェクトである。OKXベンチャーズの投資がもたらす支援と信頼により、ダックチェーンがどのようにこのビジョンを現実のものにしていくのか、今後の展開が注目される。
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