ビットコイン・株式・ベンチャー投資など多角的に展開
アパレル事業を展開する株式会社マックハウス(東証スタンダード:7603)は12日、ビットコインを含む暗号資産(仮想通貨)や金融・投資事業、M&A事業への新規参入を発表した。総額5億円規模の資金を投じる計画で、同日開催された取締役会において正式に決議された。
新規事業への参入は、ビットコインをはじめとする仮想通貨が企業の財務戦略に取り入れられる傾向が強まっていることを背景としたもの。同社は、主力のアパレル事業に加え、新たな収益源の確保と財務基盤の強化を目的として、仮想通貨への投資やM&A活動に乗り出す。
具体的には、ビットコインを中心とする仮想通貨の保有による資産運用に加え、国内外の上場企業の株式や債券への投資を計画している。また、革新的なベンチャー企業への出資やM&Aの推進を通じて、IPO支援や事業シナジーの獲得を目指す。その一環として、同社は「M&A推進室」を新設し、将来的にはM&Aアドバイザリー業務にも進出する方針だ。
投資運用にあたっては、外部アドバイザーの知見を活用し、リスク管理体制を構築。収益性と安全性のバランスを重視しつつ、段階的に投資を進めていくとしている。新規事業の開始時期は、臨時株主総会での承認を経て、当事業年度内を予定している。
この取り組みに関し、同社は約5億円を特別支出として計上する見込みである。一方、当期業績への影響は軽微と見ており、中長期的には企業価値の向上に寄与するとしている。今後の進捗状況や投資判断に関する重要な情報については、適時開示を通じて公表する方針だ。
マックハウスは今回の決定について、「事業ポートフォリオの多角化を図り、持続的な成長を実現していく」とコメントしており、変化する市場環境に対する柔軟な経営姿勢がうかがえる。
アパレル業界における収益の不安定さを補完する手段として、金融・投資事業への進出は理にかなっている。ただし、ビットコインを含む高リスク資産への投資には、慎重な運用とガバナンスが求められる。今後のマックハウスの投資方針とその実行力に注目が集まるだろう。
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