Hut 8、アメリカンビットコインのスピンアウト検討──トランプ一族から切り離しか

ヤマダケイスケ
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ビットコインマイニングから“安定収益型”ビジネスへ──ホスティングとハイパースケーラー戦略の背景

米ビットコインマイニング企業「Hut 8(ハットエイト)」が、子会社である「American Bitcoin Corp.(アメリカンビットコイン)」をスピンアウト(親会社からの分離)する可能性が浮上している。1日、仮想通貨メディア「CoinDesk(コインデスク)」は米国のプライムブローカー「Clear Street(クリアストリート)」が発表したレポートをもとに報じた。

アメリカンビットコインは、ドナルド・トランプ米大統領の次男エリック・トランプ氏が率いる投資家グループとハットエイトが共同で設立したビットコインマイニング企業である。ハットエイトは同社に対して、ASICマイナーの設置や運用スペースなど、必要なインフラサービスの提供を担う。これにより、アメリカンビットコインはビットコインマイニング事業に注力できる体制を強化し、世界最大かつ効率の高いビットコインマイナーを目指している。

データセンターホスティング事業へ方針転換

クリアストリートはスピンアウトの要因として、ハットエイトのデータセンターホスティング事業への転換を挙げている。データセンターホスティングとは、企業や個人が自社のサーバーやネットワーク機器を専門のデータセンター事業者の施設に設置し、運用・管理を委託できる仕組みを指す。安定した収益を確保しやすいとしても認知されており、近年成長が期待される分野のひとつである。この分野へ注力することで、ハットエイトはビットコインマイニングよりも高い収益性を追求し、企業成長を加速させる狙いがあると見られている。

また、ハットエイトがハイパースケーラーの買収に乗り出す可能性がある点もクリアストリートは指摘している。ハイパースケーラーとは大規模なクラウドコンピューティングやクラウドサービスを提供する企業の総称を指す。代表的な企業には「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)などがある。こうした企業の買収により、ハットエイトは今後事業で必要となる電力を確保していく狙いだという。

直接的なマイニングに依存しない収益源を確保

また、クリアストリートは「BITMAINコロケーションの活性化により、ハットエイトは今年後半から急速な成長を遂げる可能性がある」とも予測している。BITMAINコロケーションとは、ビットコインマイニング機器の大手「BITMAIN(ビットメイン)」が提供するデータセンターを活用し、ASICマイナー等を運用できる仕組みを指す。この戦略を用いることで、ハットエイトはマイニング事業に直接関与せずとも安定した収益を確保することができる。

ハットエイトの成長の可能性を背景として、クリアストリートはその企業価値を高く評価。同社に対して23ドルの目標株価を設定し、投資家に対して「買い」を推奨している。また、米投資銀行「KBW(キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ)」は目標株価を30ドルとし、アウトパフォームであると評価した。

ハットエイトがアメリカンビットコインのスピンアウトを実行し、データセンターホスティング事業にシフトすれば、同社の競争力がさらに強化される可能性がある。ビットコインマイニング業界は電力コストや市場変動に大きく影響されるが、データセンターホスティングは安定した収益を見込めるため、企業にとってはリスク低減につながる可能性が高いだろう。ハットエイトの今後の正式な発表に注目が集まる。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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