暗号資産アナリストのBurak Kesmeci(ブラック・ケスメジ)氏は17日、バイナンスのイーサリアム(ETH)オープンインタレスト(OI)指標の分析結果をXで発表した。過去3ヶ月のデータから、OI調整が現物価格のローカル(短期〜中期)底値を先行指標として機能していることが判明し、現在の調整率8%超が底値圏への接近を示唆している。
過去3ヶ月で平均14.9%のOI調整がローカル底値形成

同氏の分析によると、バイナンス ETH OI(時間足)指標では過去3ヶ月の調整局面で平均14.9%の下落後にローカル底値が形成された。一方、現物サイドでは同期間の調整幅は平均10.7%に留まり、OI指標が現物価格を先行して動く傾向が確認された。
過去3ヶ月の主要調整局面:
- 2025年8月17日:114億ドルから102億ドルへ(10.52%下落)
- 2025年8月20日:130億ドルから97億ドルへ(25.38%下落)
- 2025年9月13日:113.9億ドルから104億ドルへ(8.69%下落)
「二翼の飛行機」理論で健全トレンドを説明
同氏は現物上昇が先物サイドに支えられる状況を「二翼の飛行機のように健全なトレンド進行」と表現。逆のシナリオでは調整を示唆するとし、最高取引量を誇るバイナンスのETH OI指標が先行データとしてローカル底値の早期捕捉機会を提供すると分析している。
添付されたチャートでは、青線のオープンインタレストと黒線の価格推移が8月中旬から9月中旬にかけて連動した動きを示している。特に赤い下降線で示された調整局面では、両指標が同時に下落するパターンが確認できる。
現在のETH価格は約4,500ドル水準で、オープンインタレストは100億ドルを若干上回る水準にある。
96.9億ドルまでの追加調整を予想
結論として、ブラック・ケスメジ氏は:
- バイナンスのETH OI指標が96.9億ドルまで緩和する可能性を予見
- 現在ローカル底値圏にあるが、ETH現物価格はさらに緩和してローカル底値を見つける可能性
- 先物サイドは十分に冷却され、新たな上昇局面に備えるETHの準備が整いつつある
この分析は、オープンインタレストの動向が現物価格の方向性を予測する重要な指標として機能することを示している。