この記事では、イーサリアム(ETH)の今後の価格動向や将来性について解説します。また、将来の価格動向に影響を与えそうな最新ニュースも紹介しているので、これからイーサリアム投資を検討している方はぜひ最後まで記事をご覧ください。
なお、当記事では仮想通貨としてのイーサリアムを「ETH」と表記し、ブロックチェーン・プラットフォームとしてのイーサリアムを「イーサリアム」と表記します。
イーサリアム(ETH)の今後の将来価格に関する重要ニュース【2025年最新】
イーサリアムは2015年に誕生して以降、さまざまな分野での活用が進められてきました。そんな中、イーサリアムにとって重要なニュースが発表されるタイミングでは、大きく価格を伸ばすケースも少なくありません。
最新のイーサリアム動向を把握することは、今後の投資判断の指標になるはずです。ここでは、2025年に注目を集めたイーサリアムの重要ニュースについて独自の見解を踏まえながら解説します。
大型アップグレード「ペクトラ」のメインネット実装
5月7日、イーサリアムは大型アップグレード「ペクトラ(Pectra)」のメインネット実装を完了しました。
このアップデートは「プラハ(Prague)」と「エレクトラ(Electra)」という2つのアップグレードを統合したもので、主にイーサリアムをより使いやすく・効率的にすることを目的にした内容になっています。
ペクトラによる主な改善内容
- EIP-7702によるウォレット機能の強化
- PeerDASによるネットワーク効率の向上
- バリデータのステーキング上限引き上げ
上記の改善により、一般的なウォレットがより複雑な機能にアクセスできるようになったほか、レイヤー2が処理したデータをより効率的にイーサリアム上で利用できるようになりました。
また、32ETHのステーキング上限が2,048ETHにまで引き上げられた点は、バリデータのさらなるステーキングを促進させ、イーサリアムのネットワーク基盤強化につながる要因になっています。
今回のアップデートはイーサリアムにとってポジティブな影響を与え、開発者やユーザーをさらに拡大する要因になり得ます。今後展開される大型アップデートによる改善にも期待したいところです。
DeFi機能向上を目指した新たなトークン導入提案
5月1日、イーサリアム開発に関わる「Wonderland」が2つの新たなトークン規格導入を発表しました。
このトークン導入の背景には、ウォレットやブロックチェーンエクスプローラー、 DeFi(分散型金融)プロトコルなど、クロスチェーンデータを理解するための方法を統一しようという狙いがあります。
導入予定の新たなトークン規格
- ERC-7828:人が理解しやすいメール形式のアドレス
- ERC-7930:相互運用可能なバイナリ形式のアドレス
統一化されたアドレス処理が実現することで、各プラットフォームにおけるアドレス表記の曖昧さが抑えられます。そうなれば、誤送金や詐欺といった従来のアドレス表記の問題解決に貢献する可能性も。
新たなトークン導入はイーサリアムをよりオープンで使いやすくし、安全性の高いプラットフォームへと進化するための重要なステップと言えるでしょう。
ヴィタリック氏がイーサリアムの重点領域を発表
4月30日、イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン氏が、2025年における自身のイーサリアムへの注力分野を発表しました。
同氏は主にイーサリアムレイヤー1の進化にスポットを当てており、イーサリアムの技術的な成熟度を今後さらに高めていこうという姿勢を見せています。
ヴィタリック氏が掲げる注力分野
- レイヤー1の長期的なロードマップ:
取引の最終決定(ファイナリティ)の迅速性と確実性向上を目指す。さらに長期的な仮想マシンの設計やネットワークのさらなる軽量化、セキュリティと分散性の向上も視野に。 - セキュリティ・オープンソース・プライバシーの確保:
アプリやウォレット等の上位レイヤーでも中央集権的な管理に頼らない。より安全かつプライバシーに配慮された環境の実現を目指す。 - 自身が提唱する分散型加速(d/acc):
技術進歩の加速と同時に、分散化やプライバシー等を重視するアプローチ。通信ツールやガバナンス等のメカニズム設計、暗号技術やOSといった分野に焦点を当てる。
ヴィタリック氏のリーダーシップにより、イーサリアムの持続可能性の向上、技術的な優位性の維持が期待きます。安全かつ信頼性の高い環境の実現は、開発者やユーザーに対してさらにエコシステムへの参入や投資を促す要因につながる可能性があるでしょう。
パナマ市が公共料金支払いにETHを採用
4月16日、パナマ市議会が公共料金の支払いにETH等の仮想通貨を採用する提案を可決しました。
支払いに対応しているのはETHのほか、BTC・USDC・USDTの計4銘柄。パナマ市民はこれら仮想通貨を用い、各種税金や罰金、許可証発行料などの支払いが可能になりました。
日常生活に不可欠な支払いにETHが活用されれば、既存投資家だけなく一般市民からのETH需要が高まる可能性も。また、他国でもこうした動きが加速していくことで、ETHのさらなる普及や今後の価格上昇につながる可能性も考えられるでしょう。
イーサリアム(ETH)の今後の価格予想【2025年〜2030年】
革新的な技術と幅広い分野への対応から、ETHの将来性に期待する投資家・企業も少なくありません。ここでは仮想通貨関連企業やAI予想モデルが打ち出す、2025年から2030年までのETHの価格予想について紹介します。
Tips
ここで紹介する価格はあくまで予想にすぎません。仮想通貨市場やマクロ経済の動向によっても、将来的なETH価格は変動してくるため、価格予想は参考程度に留めてください。
仮想通貨関連企業による価格予想
資産運用会社や仮想通貨取引所など、仮想通貨関連企業はETHに対して強気な価格予想を行っています。以下の各社は、2025年年内におけるETHの価格予想として4,000〜8,000ドルと見込んでいます。
2025年年内のイーサリアム価格予想
- スタンダードチャータード銀行:4,000ドル
- ヴァンエック:6,000ドル
- ステノ・リサーチ:8,000ドル
- ハッシュキーグループ:8,000ドル(コミュニティ投票)
こうした強気な価格予想の背景には、トランプ政権誕生による仮想通貨の規制緩和への期待感や仮想通貨ETF(上場投資信託)を通じた機関投資家の参入といったポジティブな要因が背景にあると考えられます。
しかし、イーサリアムを取り巻く環境の変化に疑念の声も。昨今のイーサリアムはレイヤー2の市場シェア拡大や発行量増大が影響し、取引手数料が減少傾向にある点が問題視されています。
こうした点を踏まえ、スタンダードチャータード銀行はETHの価格予想を10,00ドルから4,000ドルへ下方修正しました。イーサリアム(ETH)を取り巻く状況によっても、価格予想は都度更新されています。
AI予想モデルによる価格予想
仮想通貨関連企業と同様、どのAI予想モデルもETHの今後の価格上昇を予想しています。主要なAI予想モデルによるETHの2025年から2030年までの価格予想は以下のとおりです。
Price PredictionによるETH価格予想
最小価格(ドル) | 平均価格(ドル) | 最大価格(ドル) | |
---|---|---|---|
2025 | 4,915 | 5,072 | 5,695 |
2026 | 7,044 | 7,298 | 8,425 |
2027 | 10,341 | 10,706 | 12,241 |
2028 | 15,126 | 15,555 | 18,212 |
2029 | 21,118 | 21,740 | 26,292 |
2030 | 31,024 | 31,893 | 36,342 |
DigitalCoinPriceによるETH価格予想
最小価格(ドル) | 平均価格(ドル) | 最大価格(ドル) | |
---|---|---|---|
2025 | 2,250 | 5,050 | 5,533 |
2026 | 5,454 | 6,319 | 6,547 |
2027 | 7,477 | 8,781 | 9,256 |
2028 | 9,774 | 10,778 | 11,663 |
2029 | 9,774 | 10,778 | 11,663 |
2030 | 12,055 | 13,592 | 13,848 |
CoinPrice ForecastによるETH価格予想
年内価格(ドル) | 年末価格(ドル) | |
---|---|---|
2025 | 3,636 | 4,043 |
2026 | 3,683 | 4,512 |
2027 | 4,725 | 4,134 |
2028 | 4,416 | 4,913 |
2029 | 5,404 | 5,890 |
2030 | 5,408 | 5,356 |
Price Predictionに至っては、他2つのAI予想モデルよりもより強気な価格予想を示しています。ただし、現在価格を考慮して最も現実な価格予想を示しているのがCoinPrice Forecastといった印象です。
なお、上記の価格予想には将来的な仮想通貨規制や地政学的なイベント等が反映されていません。イーサリアム(ETH)を取り巻く環境変化が、価格予想に大きく影響する可能性がある点に注意してください。
イーサリアム(ETH)とは?基本情報・特徴を解説

トークン名 | Ethereum |
トークンシンボル | ETH |
現在価格 | 2,492ドル |
時価総額 | 約3,200億ドル |
時価総額ランキング | 2位 |
最大発行枚数 | 上限なし |
コンセンサスアルゴリズム | PoS |
公式サイト | https://ethereum.org/ |
ホワイトペーパー | https://github.com/ethereum/wiki/wiki/White-Paper |
購入できる取引所 | 仮想通貨取引所全般 |
イーサリアム(Ethereum)は、2013年にヴィタリック・ブテリン氏によって考案された革新的なブロックチェーンおよびプラットフォームの総称です。
ビットコインとは異なり、イーサリアムは送金や決済などに限定されない機能性が最大の特徴。その汎用性の高さから金融やサプライチェーン、投票システムなど多岐にわたる分野で応用されています。
また、イーサリアムはエコシステムを支えるネイティブトークンとして「ETH(イーサ)」を発行。ETHはトランザクション手数料の支払いのほか、マイニング報酬や各プロジェクトの基軸通貨などで活用されています。現在、ETHはビットコインに次ぐ時価総額第2位に位置しており、アルトコインを代表的する仮想通貨のひとつです。
ETHの価格は、その発行元であるイーサリアムの影響を強く受けています。以下では、イーサリアムのブロックチェーン・プラットフォームとしての特徴について解説します。
スマートコントラクト機能を実装
イーサリアムの最大の特徴と言えるのが、スマートコントラクト機能の実装です。
スマートコントラクトはよく自動販売機に例えられます。取引条件を事前にブロックチェーン上に記録しておくことで、条件が満たされた場合に自動的にプログラムが作動する仕組みになっています。
スマートコントラクトの活用事例
- DEX(分散型取引所): 仲介者なしで仮想通貨を直接取引
- レンディング・借入:仮想通貨の貸し借りを自動化
- ステーブルコイン:法定通貨連動の仮想通貨の価格安定化
- NFT(非代替性トークン): 資産の所有権証明と管理
スマートコントラクトによる自動化で人の手を介さずに済むため、取引時間の短縮や人件費削減などが期待できます。その汎用性の高さから、現在は不動産や生産管理など他分野でも実用化が進んでいます。
プルーフ・オブ・ステークを採用
イーサリアムは「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」を採用している点も特徴です。
PoSはざっくり言うと、イーサリアム上のトランザクションを検証する際のアルゴリズムの一種。ネットワーク上に預けられたETH数量に基づき、公平にブロック承認者を決定する仕組みがポイントです。
上記のような仕組みを持つため、PoSは複雑な計算問題を解くことでブロック生成を行う「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」と異なり、大量の電力消費や高性能マシン等の必要性がありません。
比較的少量のETHでもバリデータとしてネットワークに参加できるため、PoWと比較しても環境への配慮はもちろん、分散化が促進されやすい点がメリットとなっています。
分散型アプリの基盤としての活用
イーサリアムは分散型アプリ(dApps)の基盤として活用が進んでいる点も特徴です。
分散型アプリはいわば、ブロックチェーンを活用した新しいアプリ形態。特定の管理者を必要とせず、アプリの利用者によるデータの分散管理を可能にしています。
イーサリアム上に展開する分散型アプリ例
- Uniswap(DEX)
- 1inch Network(DEXアグリゲーター)
- OpenSea(NFTマーケットプレイス)
- Blur(NFTアグリゲーター)
分散型アプリ分析サイト「DappRadar」の情報によると、イーサリアム上ではすでに5,000に迫る数の分散型アプリが展開。BNB Chainに次ぐ人気を誇り、その他ブロックチェーン基盤を圧倒しています。

イーサリアム(ETH)の価格推移と影響したイベント
ここでは、ETHの直近5年の値動きと価格に影響を与えたイベントをチャート画像を用いて解説します。これからETHに投資したいと考えている方は、ぜひ以下項目をタップしてこれまでの価格推移をチェックしていきましょう。
2021年:仮想通貨ブームの再来

2021年はビットコインが最高値を何度も更新し、市場が強気相場に転換。ETHをはじめとしたアルトコインも急騰を見せ始め、2017年以来となる仮想通貨ブームの再来が囁かれました。
ETH価格は2020年の終わり頃からの上昇を引き継いでおり、5月に一時4,600ドルを突破。その後は1月の高値水準まで下げましたが、11月には再度最高値を更新し、4,800ドルまでの上昇を見せました。
2021年のイーサリアム注目イベント
- 2021年4月:大型アップグレード「ベルリン」を実装
- 2021年8月:大型アップグレード「ロンドン」を実装
- 2021年8月:米投資企業2社がイーサリアム先物ETF申請を取り下げ
- 2021年10月:ビットコイン先物ETFが米国で初承認
2022年:Terraショックで価格暴落

2022年は前年からの上昇の勢いが失速し始め、ETH価格は停滞期に突入しました。各国では仮想通貨規制の動きが強まり、投資家のリスク回避の動きが加速。新型コロナやウクライナ情勢も市場の足を引っ張り、世界経済も停滞を見せていた年でした。
2022年5月には、いわゆる「Terraショック」が発生。ステーブルコインのTerraUSD(UST)がドルとのディペッグを起こし、共存関係にあった大量のLUNAが発行・売却される事態に。LUNAの売りが加速すると同時に、TerraUSDも暴落を見せました。
市場にもTerraショックの影響が波及し、ETHは6月に1,000ドルを割り込む下落を見せました。その後は大きく上昇することはなく、2,000ドルが抵抗帯となってほぼ横ばい状態で価格推移しています。
2022年のイーサリアム注目イベント
- 2022年2月:ロシアによるウクライナ侵攻が開始
- 2022年6月:テストネットの「Ropsten」がPoSへ移行
- 2022年9月:大型アップグレード「ザ・マージ」を実施
- 2022年11月:海外仮想通貨取引所「FTX」が破綻
2023年:シャンハイアップデートの実装

2023年はイーサリアムのスケーラビリティ解消のため、レイヤー2が市場の関心を集めました。さらにイーサリアムETFへの期待感が高まり、9月以降から各資産運用会社による現物ETFの申請が相次いでいます。
4月にはイーサリアムの大型アップグレード「シャンハイ」が実装。ステーキングされたETHの引き出しが可能になったほか、ガス効率やコストの最適化などの細かな改善も実施されました。
このアップデートの影響もあり、ETHは4月中頃に一時2,000ドルを上抜け。その後、10月中頃まで価格上昇が抑えられましたが、年末にかけて約2,400ドルまで価格を回復させています。
2023年のイーサリアム注目イベント
- 2023年3月:イーサリアムは有価証券として米NY当局がKucoinを提訴
- 2023年10月:イーサリアム先物ETFの取引開始
- 2023年12月:仏ソシエテ銀行がイーサリアム上でデジタル証券を発行
- 2023年12月:次期アップデート「デンクン」のテストネット導入目標を発表
2024年:イーサリアム現物ETFが米国で初承認

2024年はビットコインの上昇の勢いと共に、ETHが大きく飛躍した年でした。ビットコインは70,000ドルの壁を突破し、100,000ドルをブレイク。この強気の価格上昇から「仮想通貨バブルの再来」がSNS上でも話題となりました。
ETH価格は2月に入ってから急騰しており、わずか1ヶ月ほどで4,000ドルまで上昇。その後は売り圧が強まりましたが、5月にはイーサリアム現物ETFが米国で初承認されるニュースが飛び込みました。これをきっかけに再度、ETHは4,000ドルに迫る価格上昇を見せています。
8月には金融政策の不穏な動きからリスク回避の動きが広がり、ETH価格は急落。しかし、11月はドナルド・トランプ氏が米大統領戦に勝利したことを受け、再度4,000ドルを試す動きを見せました。
2024年のイーサリアム注目イベント
- 2024年3月:大型アップデート「デンクン」の実装
- 2024年5月:米SECがイーサリアム現物ETFを初承認
- 2024年11月:米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利
- 2024年12月:WLFIが7.6億ドル相当のETHを購入
2025年:Bybitの巨額ハッキング事件

2025年は昨年の現物ETF承認以降、価格上昇の流れは失速している状況です。イーサリアムを取り巻く環境の変化だけでなく、2025年は主に外部要因が大きく価格上昇に影響しています。
ETH価格は昨年12月終わり頃から売り圧が強まっており、その流れは4月初めまで続いています。2月にはBybitの巨額ハッキング事件が発生し、14億ドル相当のETHが流出しました。これも影響し、年初3,600ドルだった価格は、4月8日に1,500ドルを割り込んでいます。
その後も、米国によるメキシコやカナダ、中国への追加関税対応などでマクロ経済も不穏に。しかし、5月には英国との貿易協定合意を発表し、市場の貿易摩擦に対する懸念が後退。ビットコインはこれを受けて価格上昇し、ETHもこの高騰に続く形で反発上昇を見せています。
2025年のイーサリアム注目イベント
- 2025年1月:米SECがビットコイン・イーサリアム複合ETFを承認
- 2025年2月:Bybitが巨額のハッキングを受けETHが流出
- 2025年3月:ETHのバーン量が過去最低水準に
- 2025年4月:トランプ米大統領が新たな関税政策を発表
- 2025年5月:大型アップデート「ペクトラ」の実装
イーサリアム(ETH)の今後の価格に影響する要因
ETHの将来的な価格には、さまざまな要因が絡んできます。ここでは、その中でも重視しておきたい価格に影響する4つの要因について解説します。ぜひ、気になる項目をタップして理解を深めておきましょう。
ETFによる機関投資家の参入
1つ目は、仮想通貨ETFによる機関投資家の参入です。
機関投資家は個人投資家と比べ、はるかに大きな資金力を持ちます。その資金力が今後も仮想通貨市場、ETHに流入するとなれば、今後のETH価格上昇の大きな後押しになる可能性は高いでしょう。
イーサリアム現物ETFの資金流入とETH価格には、ある程度相関性があります。以下のとおり、イーサリアム現物ETFへ資金流入が続くときはETH価格が高騰、資金流出が続くときはETHが下落を見せています。

ソラナやXRPなどのアルトコインの相次ぐETF申請、ビットコインが再び100,000ドルを突破するなど、現在の市場は機関投資家が入ってきやすく、資金流入が加速しやすい環境であると言えます。
SoSoValueが提供するデータによると、執筆時点でのイーサリアム現物ETFの累計総純流入額は約24.5億ドル。今後この数字が順調に伸びていくことが、ETHの需要喚起を加速させる要因になるでしょう。
今後控える大型アップデート
2つ目が、今後控えているイーサリアムの大型アップデートです。
機能性や利便性が向上することで、さらなる開発者やユーザーのエコシステム参入が期待できます。ネイティブトークンのETHは、活性化するエコシステムの中で需要拡大していく可能性も十分考えられるでしょう。
ヴィタリック・ブテリン氏は2023年12月、公式Xで今後のイーサリアムの大型アップデートについての情報を共有しました。共有情報によると、今後予定されている大型アップデートは以下のとおりです。
イーサリアムの今後の大型アップデート
- ザ・サージ:
スケーラビリティの大幅向上を目的としたフェーズ。現状の15〜30TPSから100,000TPS以上を目指す。 - ザ・スカージ:
MEV(最大抽出可能価値)による集権化への懸念軽減を目的としたフェーズ。流動性ステーキングの安定性を向上させ、公平性を高める。 - ザ・バージ:
トランザクション検証をよりシンプルにするフェーズ。ネットワークへの参入障壁を下げ、さらに分散性を高める。 - ザ・パージ:
古いデータを削除してネットワーク負担を軽減するフェーズ。ノードデータサイズを最小限に抑え、ネットワークへの参入ハードルを下げる。 - ザ・スプラージ:
その他全ての問題を修正し全体的な改善を目指すフェーズ。強力なEVM(イーサリアム仮想マシン)開発やアカウントの抽象化などを実現する
上記の大型アップデートのタイミングがいつになるかは不明です。今後実施タイミングが明らかになれば、大型アップデート実施日に向けて徐々にETHの価格上昇が見られる可能性があります。
ただし、過去の値動きを見てみると、大型アップデートが直接的にETH価格に影響を与えなかったケースも。アップデート内容を市場がどう受け止めるかによって、価格動向に違いがある点は理解しておいてください。
競合ブロックチェーンの台頭
3つ目が、イーサリアムの競合ブロックチェーンの台頭です。
イーサリアムは取引速度の遅さ、その影響によるトランザクションコストの高騰といった「スケーラビリティ問題」を抱えています。市場ではその問題点を解消するため、高速処理&低コスト化を実現した競合となるレイヤー1が徐々に市場シェアを拡大させているような状況です。
ただし、イーサリアムのTVL(預かり資産)は現状、約600億ドルと全体の55.6%を占めています。次点ではSolana(ソラナ)やBNB Chain(BNBチェーン)などが続いていますが、未だイーサリアム一強状態です。

今後、イーサリアムの下に位置する高性能なレイヤー1が機能性を拡張していけば、市場でのイーサリアムの優位性が薄まる可能性が考えられます。そうなれば、エコシステムの分散やネットワークの弱体化が引き起こされ、結果的にETH価値に影響を与えるかもしれません。
仮想通貨市場の強気サイクル
4つ目が、仮想通貨市場全体の強気サイクルの継続です。
仮想通貨市場が強気サイクルに入ると投資家は楽観的になり、リスクの高い資産への投資が活発化します。リスク資産の代表格であるビットコインへの投資を皮切りに、アルトコインへの資金流入が加速する流れです。
ETHはビットコインに次ぐ主要通貨であるため、この流れに連動して資金流入・価格上昇する傾向があります。今ではETFといった窓口もあるため、機関投資家からの大口の資金流入の加速も期待できるでしょう。
執筆現在、市場のセンチメントを数値化した「恐怖と欲望指数チャート」を見ると、市場の欲望状態を示す「71」を記録しています。これは投資家心理がより楽観的になっていることを裏付けています。

このような環境が続く限り、市場への資金流入が継続し、ETHの価格上昇に期待が持てます。ただし、市場が過熱していると判断されれば、利益確定やリスク回避の売りが増え、一時的に価格調整局面を迎える可能性がある点に注意が必要です。
イーサリアム(ETH)購入におすすめな仮想通貨取引所
bybit

Bybitの基本情報
取引所名 | Bybit(バイビット) |
---|---|
運営会社 | Bybit Fintech Limited |
設立日 | 2018年3月 |
所在地 | ドバイ |
ライセンス | ・ドバイ(Virtual Assets Regulatory Authority) ・キプロス共和国(Cyprus Securities and Exchange Commission) ・カザフスタン(Astana Financial Services Authority) |
取扱銘柄数 | ・現物(655種類) ・デリバティブ(349種類) |
ガバナンストークン | – |
最大レバレッジ | 100倍 |
取引手数料 | ・現物:0.1%(一律) ・デリバティブ:テイカー:0.055%、メイカー:0.02% |
主な提供サービス | ・現物取引 ・デリバティブ取引 ・オプション取引 ・コピートレード ・資産運用 |
ボーナスキャンペーン | ・20USDTウェルカムギフト ・最大30,000 USDTがもらえる入金応援祭 ・はじめての入金まつり |
入出金手段・手数料 | ・仮想通貨入金:無料 ・ワンクリック購入:3.95%~4.5% ・P2P取引:無料 |
日本語サポート | メール・オンラインチャット(24時間対応) |
スマホアプリ・取引ツール | スマホアプリ・MT5の提供あり |
公式サイト | ・公式サイト:https://www.bybit.com/ja-JP/ ・公式X:https://x.com/BybitJP ・公式Discord:https://discord.com/invite/CeGhhS95fQ |
Bybitは2018年3月に設立された海外大手の仮想通貨取引所です。最大レバレッジ100倍のデリバティブ取引を中心に、オプションやコピートレードなどの多彩な取引サービスにも対応。さらに、2021年からはユーザーが保有する仮想通貨を活用した資産運用サービスを開始し、ワンストップでの仮想通貨取引を可能にしています。
グローバルに展開する一方で、セキュリティ強化にも注力しています。設立以来一度もハッキング被害を受けておらず、安心して利用できる取引所として信頼されています。高い機能性と安全性を兼ね備えた取引環境が、多くのユーザーに選ばれる理由となっています。
Bybitのメリット
- 高頻度で豪華なボーナスキャンペーンが開催される
- 厳重なセキュリティ体制と資金管理で安全性が高い
- 最大100倍のレバレッジで取引の自由度が高い
- 650種類以上の豊富な銘柄を取り扱い
- クレジットカードを使った日本円入金に対応
- ブラウザ・スマホアプリともに日本語に完全対応
- 日本語サポートで問い合わせがスムーズ
Bybitのデメリット
- KYC(本人確認)が必須
- 日本円を使った取引を提供していない
- 日本の法律による保護が適用されない
Bybitは日本人ユーザー向けのサービスにも力を入れているのが特徴です。日本語サポートが利用できるほか、日本語公式Xアカウントでは、最新の通貨上場情報やキャンペーン情報を簡単にチェックできます。
取引画面はブラウザ・スマホアプリともにシンプルで使いやすいため、仮想通貨取引初心者にもおすすめです。
Bybitの関連記事
MEXC

MEXCの基本情報
取引所名 | MEXC |
会社名 | MEXC Global Ltd. |
運営会社所在地 | シンガポール(本社)・拠点は各国 |
設立日 | 2018年 |
登録者数 | 3,600万人以上 |
取引銘柄数 | 現物での取扱は2,500種以上 |
取引手数料 | 現物メイカー & テイカー手数料率 0.1% 先物メイカー手数料率 0%、テイカー手数料率 0.02% |
対応している言語 | 日本語・英語・韓国語・その他 全9ヶ国語に対応 |
MEXCは2018年にサービスを開始した海外仮想通貨取引所です。拠点はシンガポールにあり、当初は「MXC」という名称でしたが「MEXC Global」に名称を変えて運営しています。
カナダ、オーストラリア、エストニア、米国など複数国で金融ライセンスを取得しており、国際的にも信頼性の高い取引所です。また、2021年10月にドバイで開催された「Crypto Expo Dubai」では、アジアで最も優れた取引所として「Best Crypto Exchange Asia」を受賞し評価も高まっています。
取扱通貨の多さや、多様な言語への対応などで、ユーザー数は3,600万人を超えており世界でもトップクラスの仮想通貨取引所です。そんなMEXCのメリット・デメリットは以下のとおりです。
MEXCのメリット
- 信頼性・安全性を確保している
- 最大レバレッジ200倍で取引可能
- 取引手数料が安い
- 有望プロジェクトの上場が早い
- 取扱銘柄が非常に多い
- 独自トークンのMXを発行している
- スマホアプリでも取引可能
MEXCのデメリット
- 日本円で直接入金不可
MEXCは、将来性の高い仮想通貨を他の取引所よりも早く上場する傾向があります。たとえば、人気のミームコイン「SHIB(柴犬コイン)」は、世界最大手のバイナンスでは2021年5月に上場しましたが、MEXCではそれより1ヶ月早い2021年4月に取り扱いを開始していました。当時のSHIBは、バイナンス上場時と比べて約110分の1の価格だったため、いち早く購入できたユーザーは大きな利益を得るチャンスがあったことになります。さらに、MEXCは上場審査が比較的厳しいことで知られており、怪しいプロジェクトや詐欺コインが上場されにくいという安心感も魅力のひとつです。
MEXCでは、独自の「MXトークン」を発行しており、保有していると取引手数料が20%割引になるなど、さまざまな特典を受けられます。時価総額としてはそれほど大きくないものの、MEXCを頻繁に利用する人にとっては非常にお得なトークンと言えるでしょう。
一方で、MEXCを利用する際の注意点もあります。MEXCを含む多くの海外取引所では、日本円での直接入金や仮想通貨購入ができません。そのため、まずは国内の取引所でイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)などを購入し、それをMEXCに送金する必要があります。また、MEXCではクレジットカードで仮想通貨を購入することも可能ですが、決済手数料がやや割高なため、頻繁に取引する場合は注意が必要です。
MEXC関連記事
Bitget

Bitgetの基本情報
取引所名 | Bitget(ビットゲット) |
---|---|
運営会社 | Bitget Limited |
設立日 | 2018年4月 |
所在地 | シンガポール |
ライセンス | 米国MSBライセンス カナダMSBライセンス オーストラリアDCEライセンス |
取扱銘柄数 | 現物取引:775銘柄 先物取引:227銘柄 |
ガバナンストークン | Bitget Token(BGB) |
最大レバレッジ | 125倍 |
取引手数料 | 現物取引:メイカー:0.1%、テイカー:0.1% 先物取引:メイカー:0.014%、テイカー:0.042% |
主な提供サービス | 現物取引 先物取引 コピートレード 自動売買 Bitget Earn |
ボーナスキャンペーン | 先物取引手数料30%OFFキャンペーン 手数料割引クーポンのウェルカムパック 新規ユーザータスクボーナス |
入出金手段・手数料 | 仮想通貨入金:手数料無料 クレジットカード入金:決済業者で手数料が異なる 仮想通貨出金:出金通貨で手数料が異なる |
日本語サポート | 日本語対応あり ・AIチャットサービス:24時間対応 ・オンラインチャット:平日10:00〜19:00 |
スマホアプリ・取引ツール | スマホアプリの配信あり |
公式サイト | 公式サイト:https://www.bitget.com/ja/ 公式X(旧Twitter):https://twitter.com/BitgetJP 公式Telegram:https://t.me/Bitget_Japan |
Bitget(ビットゲット)は、2018年4月に設立されたシンガポールを拠点にする海外仮想通貨取引所です。700種類以上の仮想通貨を取り扱っており、DeFiやミームコインなど多彩な銘柄の取引に対応。複数国での金融ライセンスの取得や保険基金の設立など、ユーザーが安心して取引できる環境の整備にも力を入れています。
またBitgetは「コピートレード」にも強みを持っており、現物・先物双方で優秀なトレーダーをコピーして半自動的に取引を進められるのも魅力です。主力サービスを武器にこれまで2,500万人以上の登録ユーザー数・100億USDTを超える取引量を達成するなど、海外取引所の中では名実ともにトップクラスの人気を誇ります。
Bitgetのメリット
- 公式サイトが日本語対応で初心者でも扱いやすい
- コピートレードで効率的に利益獲得を目指せる
- 最大125倍のレバレッジで資金効率を高められる
- BGBの利用で取引手数料が20%OFFされる
- 海外大手と比較しても安価な手数料体系
- 強固なセキュリティ対策で安心して利用できる
- 操作性・視認性に優れたスマホアプリで取引できる
Bitgetのデメリット
- 日本の金融庁から認可を受けていない
- 法定通貨の入出金に対応していない
- 日本円を使った取引に対応していない
上記でも紹介したとおり、Bitgetは既存ユーザーのみならず新規ユーザーに対しても豪華ボーナスを複数用意しています。「取引所としての信頼性はもちろん、ボーナスキャンペーン面も重視したい」という方でも満足して利用できるでしょう。海外取引所ならではのデメリットはありますが、Bitgetはそれ以上に利用メリットの大きい海外取引所です。
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イーサリアム(ETH)のおすすめ投資戦略
積極的にリターンを狙いたい方は、購入したETHを運用していくのがおすすめです。ここでは、仮想通貨初心者でも簡単に進められるETHのおすすめ投資戦略を3つ紹介します。
積立投資【おすすめ度★】
積立投資は、毎月・毎週といった定期的な間隔でETHを購入していく戦略です。コツコツとETH購入を継続するだけでよいため、仮想通貨初心者でも取り組みやすい戦略と言えます。
積立投資のメリット
- 定期的・一定量の購入で購入価格を平均化できる
- 時間を分散させることで心理的な負担が軽減される
- 自動化も可能なので手動で買い付ける手間がない
積立投資のデメリット
- 短期間での大きな利益には期待できない
- 価格下落によって元本割れのリスクがある
ETHの積立投資は、仮想通貨取引所が展開する積立サービスを使った自動化がおすすめです。
国内大手のGMOコインの「つみたて暗号資産」であれば、最小500円からの積み立てが可能。ETHをはじめ20種類の仮想通貨を取り扱っており、積立にかかる手数料は一切かかりません。
また、毎日・毎月(10日)から積立プランを選択可能。自身の投資スタイルにあわせて、柔軟に積立期間を設定できます。手間なく積立を進めたい方は、ぜひ利用検討してみてください。
ステーキング【おすすめ度★★】
ステーキングは、ETHを預けてネットワーク強化に貢献することで、その対価として報酬を得られる仕組みです。一旦ETHを預けてしまえばあとは放置で構わないため、こちらも初心者におすすめな戦略と言えます。
ステーキングのメリット
- 複利の効果を使って効率的に利回りを得られる
- ETHを売買する手間やコストが必要ない
- イーサリアムネットワークの強化に貢献できる
ステーキングのデメリット
- ETHの価格下落により利回り相殺のリスクがある
- 預け先によっては資産が一定期間ロックされる
主要な海外仮想通貨取引所では、ETHのステーキングサービスを展開しています。しかし以下のとおり、取引所で利回りやステーク条件が異なります。ぜひ自身の投資戦略に合ったサービスを選んでみてください。
レンディング【おすすめ度★★★】
レンディングは、ETHをプラットフォームに貸し付けることで利回りを獲得していく戦略です。ステーキング同様、保有するETHを預けるだけなので、手軽に実践できる投資戦略として人気を集めています。
レンディングのメリット
- ETHを売買する手間やコストが必要ない
- ステーキングよりも比較的利回りが高め
- ステーキングよりも対応通貨の幅が広い
レンディングのデメリット
- 貸出期間中に価格変動するリスクがある
- 貸出枠の関係で貸出できないケースがある
国内でも高い利回りでETHを運用できるのが、仮想通貨レンディングウォレットの「Nexo」です。
Nexoは世界最大級の仮想通貨レンディングプラットフォームで、最大年利8%でETHを運用できます。さらに預け入れた資産に対する利息が毎日自動的に支払われ、元本に加算されます。これにより、複利効果が生まれ、資産を効率的に増やすことができます。
また、当サイト経由でNexoの登録を行うと25ドル分のBTCが受け取れるキャンペーンも開催しており、お得にNexoを利用することができます。
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