暗号資産(仮想通貨)のブロックチェーン、ハイパーリキッド
HYPE向けのレイヤー2(L2)ネットワークElysiumの公式Xは日本時間4日23時30分、分散型取引所(DEX)のAero(エアロ)が9日のメインネット一般公開の初日に参加すると投稿した。
5日3時9分には、DEXアグリゲーターのKyberSwap(カイバースワップ)を運営するカイバーネットワークを迎え、初日に会おうと呼びかけている。Elysiumは、ハイパーリキッドのトークンHYPEのリキッドステーキングを手がけるKinetiq(キネティック)が開発し、ガス代(手数料)にHYPEを使う。公式サイトによると、一般向けのメインネットは9日に始まり、それまでは非公開のメインネットを動かしている。
Elysiumとは、HYPEをガス代に使うハイパーリキッド向けL2
ドキュメントによると、Elysiumはアービトラムの技術Arbitrum Orbitで作る汎用のL2で、楽観的ロールアップと呼ばれる方式をとる。L2は、本体のブロックチェーンの上で取引を速く安く処理し、結果をまとめて本体に記録する別のチェーンを指す。
取引の結果は、ハイパーリキッドでスマートコントラクトを動かすチェーンHyperEVMに記録(決済)する。取引の順番を決めるシーケンサーは、インフラ事業者のConduitが自社の基盤で動かす。
HyperEVMは処理量を意図的に抑えている。小さいブロックで扱えるガスは毎秒300万で、ハイパーリキッドの取引所部分HyperCoreとの連動は保てるが、高い頻度の取引を続ける余裕は少ないとドキュメントは説明する。
Elysiumは0.1秒ごとにブロックを作り、毎秒3億ガスの処理を目指す。HyperEVMの約100倍だ。ドキュメントは、マーケットメイカーが毎秒5〜10回気配を出し直しても安く済む手数料の水準にしたと説明している。ガス代のHYPEは、HyperEVMから1対1で移して使い、1対1で戻せる。
| 項目 | Elysium | HyperEVM |
|---|---|---|
| 位置づけ | ハイパーリキッド向けのL2(HyperEVMに決済) | ハイパーリキッドのスマートコントラクト用チェーン |
| ブロックの間隔 | 約0.1秒 | 小さいブロック約1秒、大きいブロック約60秒 |
| 毎秒のガス処理量 | 3億(目標) | 300万(小さいブロック) |
| ガス代 | HYPE | HYPE |
国内では、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(9月30日現在)をJinaCoinが集計したところ、HYPEを取り扱う業者の記載はなかった(執筆時点、国内の暗号資産交換業者一覧)。ハイパーリキッドと金融庁の関係は解説記事にまとめている。
スマートコントラクトからHyperCoreの板情報や価格を読み、HyperCoreへ注文を出す機能は、開始時には入らない。メインネットの約4週間後のアップグレードで加える予定だ。
開始時はシーケンサーが1つで、チェーンの状態を検証する担い手も許可制となる。ドキュメントによると、誰でも不正を証明できる仕組み(Arbitrum BoLD)へは、チェーンの成熟に合わせて移る。HyperEVMへの出金は、異議を申し立てられる期間が過ぎてから確定する。
ドキュメントは全体について、仕様や日程がメインネット前に変わる可能性があると注記している。
エアロやカイバースワップなど、初日の対応を相次ぎ告知
エアロは、エアロドロームとベロドロームの統合で生まれたDEXで、10月22日に稼働を始めた。エアロドロームはBase(ベース)、ベロドロームはOPメインネットを拠点としていた。ElysiumのXの投稿には、エアロも引用の形で応じた。
カイバーネットワークの公式Xは日本時間10月27日、Elysiumの初日に向けてカイバースワップの準備ができたと投稿していた。Elysiumの5日の告知は、この投稿を引用したものだ。
Elysiumや各プロジェクトの公式Xで、初日の対応や9日の開始に触れた主な投稿は次のとおり。
| 日付(日本時間) | プロジェクト | 公式Xの内容 |
|---|---|---|
| 10月27日 | 0x | 0xのAPIを使うウォレットやアプリは、初日からElysiumでスワップできる(Elysiumの投稿) |
| 10月27日 | カイバースワップ | 初日に向けて準備ができた(カイバーネットワークの投稿) |
| 10月28日 | fomo(フォモ) | 初日から対応。Elysium側はフォモを独占の取引パートナーと紹介 |
| 10月29日 | Pump.fun(パンプファン) | アプリでのElysium上の取引は9日に開始 |
| 11月3日 | OpenSea(オープンシー) | 初日から対応 |
| 11月4日 | エアロ | 初日に参加(Elysiumの投稿) |
| 11月5日 | GMGN | 初日に対応 |
| 11月5日 | Maestro | 初日に対応 |
独自トークンの記載なし、手数料の50%はKNTQ買い戻し
5日に確認した範囲では、Elysiumの公式サイトと主なドキュメントに、Elysium独自のトークンやポイントプログラムの記載はない。米メディアのバンクレスも10月19日(米国時間)、現時点でElysiumのトークンや公式のポイントプログラムはないと報じていた。
公式サイトによると、シーケンサーの手数料収入のうち25%は、ブロックの容量を使ったコントラクトに自動で配る。50%はキネティックのガバナンストークンKNTQ
kinetiqを市場で買い、ハイパーリキッドの支援基金に送って恒久的に流通から外す。残る25%はプロトコルの運営に充てる。
キネティックのドキュメントによると、KNTQは同社が2025年11月27日にハイパーリキッド上で発行したトークンだ。
公式サイトのFAQは、HyperEVMと競合するのかという問いに、HyperEVMの負担を和らげるものだと答えている。HyperEVMが担うよう設計されていない高い頻度の負荷を、Elysiumが引き受けるという。
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