イーサリアム
ETHのレイヤー2(L2)ネットワークのBlast(ブラスト)は4日、L2を停止したと公式Xで発表した。L2のウォレットや未完了の出金、スマホ向けウォレットのBlast Mobile(ブラスト・モバイル)に残ったETHと米ドル建ての資産は、回収サイト(blast.io)で取り戻せる。サイトは12カ月間運営し、最終サポート日は2027年11月4日としている。10月2日のブラストの終了発表では、通常の画面からの出金を10月26日までと案内していた。
ブラストの回収サイト、対象はETH・WETH・USDB
回収サイトの案内によると、ブラスト上でETH、WETH
weth、ブラスト独自のステーブルコインUSDB
USDBを持っていた人と、イーサリアムへの出金を始めて終わっていなかった人が、イーサリアムのメインネット上で資産を受け取れる。手順は次の3段階だ。
- アドレスを確認する:ブラストで資金を持っていたアドレスを入力する。接続したウォレットのアドレスが初めから入る
- 回収できる資産を見る:そのアドレスで受け取れる資産が表示される
- 回収する:そのアドレスのウォレット(または代わりに回収を認められたウォレット)から請求する。資産は請求を送ったウォレットにイーサリアム上で届く
終わっていなかった出金は自動で対象に含まれ、アドレスを調べればほかの資産と一緒に表示される。
Safe(セーフ)などのスマートコントラクトウォレットに資金を置いていた場合は、そのオーナーなど、代わりに回収することを認められたウォレットからも手続きできる。セーフ自体のアドレスの請求は、オーナーが署名するセーフの取引として用意され、資金はセーフに送られる。
回収サイトの案内では、ブラスト・モバイルのアドレスはイーサリアム上に存在しないため、そのシードフレーズをメタマスクやRabby(ラビー)などのウォレットに読み込み、そのウォレットを回収サイトに接続する。表示されるアドレスはブラスト・モバイルのものと違うが、それで正常だという。
回収サイトは、シードフレーズを入力するのはウォレットのアプリだけにし、ウェブサイトには決して入力しないよう注意を促している。
回収サイトの案内が対象に挙げるのはETH・WETH・USDBで、独自トークンのBLAST
BLASTには触れていない。ブラストは10月14日の公式Xで、BLASTを公式のブリッジ画面からイーサリアムへ移せると案内していたが、L2の停止後に移せるかは、4日の発表と回収サイトに記載がない。
ブラストの回収用コントラクト、約9,905 ETHと約975万DAI
回収サイトによると、資産はイーサリアム上の回収用スマートコントラクトから直接引き出される。サイトはEtherscan(イーサスキャン)へのリンクで2つのコントラクトを示している。
この2つの残高をイーサリアムのノードで確かめると、5日10時43分(日本時間)時点で合わせて約9,905 ETH(約38.0億円)と約975万DAI
DAI(約15.4億円)があった。円換算にはJinaCoinのイーサリアムの価格データの5日10時42分時点の値(1 ETH=38万3,742円)を使った。
DAIは1 DAI=1ドルとして円に換算した。公式の出金ガイドでは、USDBはイーサリアム側でDAIとして受け取る仕組みになっている。コントラクトからは請求に応じて資金が送り出されており、残高は時点によって変わる。
ブラスト、終了の発表から約1カ月でL2を停止
ブラストは10月2日の発表で、チェーンの維持費がL2の収益を上回り、経済的に持続させる現実的な道筋が見えないとして、終了を決めたと説明した。利用者には、PWA(ウェブアプリ)の残高を含め、資産をイーサリアムのメインネットへ移すよう求めた。
終了の準備として、出金の待機時間を24時間に短くし、Lido(リド)で運用していた資産の引き出しを先に始めるとした。引き出しには約1週間かかる見込みで、その間は出金を一時的に止めると説明していた。
通常の画面から出金できるのは10月26日までで、その後はイーサリアム上のブリッジのコントラクトを直接操作する必要があると案内した。10月14日には改めて出金を呼びかけ、出金ガイドを示した。
| 日付 | ブラストの公式Xの発表・案内 |
|---|---|
| 2026年10月2日 | 終了を発表。出金の待機時間を24時間に短くし、リドの資産の引き出し中は出金を一時停止すると説明 |
| 10月14日 | 出金を改めて呼びかけ、出金ガイドを案内 |
| 10月26日 | 通常の画面から出金できる期限。以降はイーサリアム上のブリッジのコントラクトを直接操作する必要があるとしていた |
| 11月4日 | L2の停止を発表。回収サイトを案内 |
| 2027年11月4日 | 回収サイトの最終サポート日 |
アブストラクト・ブラーと終了の形を比べる
10月には、イーサリアムL2のAbstract(アブストラクト)がチェーンの停止を、NFTマーケットプレイスのBlur(ブラー)がサイトの画面の廃止を発表した。止まる範囲と、期限後の扱いはそれぞれ異なる。
| サービス | 発表 | 止まるもの・時期 | その後の扱い |
|---|---|---|---|
| ブラスト(L2) | 10月2日に終了を発表 | 11月4日にL2の停止を発表 | 回収サイトで受け取り。サイトの最終サポート日は2027年11月4日 |
| アブストラクト(L2) | 10月7日に終了を発表 | チェーンを12月15日に停止する予定 | それまでにブリッジでほかのチェーンへ移さなかった資金にはアクセスできなくなる |
| ブラー(NFT取引所) | 10月13日に画面の廃止を発表 | サイトの画面を11月12日に廃止する予定 | マーケットプレイスのプロトコルはオンチェーンで稼働を続ける |
アブストラクトは終了の発表で、なりすましや偽の移行サイト、DMに注意し、公式のリンクだけを使うよう呼びかけた。
ブラストは2025年1月の公式Xで、Arcade ResearchとBlast Foundationの運営を、ブラーの創業者でPacmanの名で知られるTieshun Roquerre氏が率いる1つの体制にまとめると発表していた。ブラストの4日の発表は、ブラーに触れていない。
ブラストの回収サイトは12カ月間運営し、最終サポート日を2027年11月4日としている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.02円)
