ビットコインは日本時間17日深夜に急騰を見せ、一時は9万ドルを突破したが、その後8万5,000ドル前半まで急落し、全戻しとなった。依然として不安定な値動きが続く中、ビットコインの価格は非常に重要な水準に近付いており、今後の値動きに大きな注目が集まっている。
フィボナッチ38.2%が強気相場の分水嶺に
暗号資産(仮想通貨)アナリストのTitan of Crypto氏は18日、自身のXにて、ビットコインの最も重要なサポートラインについての見解を投稿した。
Titan氏は、以前から最も重要な価格水準として8万3,900ドル付近に注目している。実際、ビットコインはこの水準付近で一度大きな反発を見せていることから、市場参加者の多くもこのラインを強く意識していると考えられる。
8万3,900ドル付近の価格帯は、今回の強気相場全体に対する38.2%フィボナッチ・リトレースメントにあたり、サイクルを通じて繰り返し意識されてきた水準だ。そのため、このラインを維持できている限り、強気派にとってはまだ反転・回復の余地が残されていると考えられる。
一方で、8万3,900ドルを明確に割り込み、回復にも失敗した場合は、単なる調整ではなくより深い弱気局面へのシフトを示唆している可能性が高いとTitan氏は分析する。
つまり現在のビットコインは、8万3,900ドルの水準を守り切れば「強気相場の延命」、割り込めば「構造的な下落フェーズ入り」という、極めて重要な分岐点に立たされていると言える。
SOPRがマイナス圏に再突入、弱気相場の最終局面か
ビットコイン・マガジン・プロ(暗号資産メディアビットコイン・マガジンのアナリティクス部門)は17日、「オンチェーン指標のSOPR(Spent Output Profit Ratio)が再びマイナス圏に突入した」と指摘。
SOPRとは「ある時点における市場全体のビットコイン売却価格を、その売却されたビットコインの平均購入価格で割った数値」のことを指す。
これがマイナス圏に突入したということは、ビットコインを移動・売却している保有者の多くが、利益ではなく損失を確定させている状態を示している。つまり、市場でキャピチュレーション(投げ売り)が加速しているシグナルだ。
注目すべきは、歴史的に今回のような大規模なポジションの整理・清算が発生した後、価格が大きく反発するケースが頻繁にみられるという点だ。ビットコイン価格自体も現在非常に重要な水準に近付いているため、今後の動きに注目だ。
現物市場は3日連続クジラ優勢、反発の前兆か
オンチェーンデータのSpot Average Order Size(現物平均注文サイズ)を確認すると、15日から3日連続でクジラ優勢となっている。

現物平均注文サイズは点の色によってクジラの注文(グリーン)、個人投資家の注文(レッド)のどちらが優勢かを示す指標で、グレーの点は双方の勢いが拮抗していることを示している。
チャートを見ると、前回の調整局面では、クジラ優勢が続いた後、市場の主導権が個人投資家へ移行。その後再びクジラが優勢となったところで大きな反発が始まった。現在も当時と全く同じ状況となっていることから、ここから数週間の値動きは注目に値する。
日銀政策金利決定や米消費者物価指数(CPI)などの重要指標を多数控え、乱高下が続くビットコインだが、少なからず底形成の兆候も見え始めている。今週終わりまで8万3,900ドルの重要なサポート水準を守り切れれば、その後の大きな相場転換につながるかもしれない。
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