強まるバイナンス包囲網
世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所「Binance(バイナンス)」は8日、アラブ首長国連邦(UAE)での集団投資ファンドの運営ライセンス申請を取り下げたことがロイター通信の報道により明らかになった。
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Binance、アブダビのライセンス入札を取り下げ。仮想通貨大手が体制を検討中。
昨年11月にバイナンスのUAE法人である「BVインベスト・マネジメント」が申請した集団投資ファンドの運営ライセンスは、規制当局のウェブサイトによれば11月7日に取り下げられた。
バイナンスの広報担当者はロイターに対し、「グローバルなライセンス供与の必要性を評価した結果、この申請は必要ないと判断した」と述べ、今回の動きは、マネーロンダリングや詐欺などを行ったとして、米司法省に対して有罪を認め、米国史上最大規模となる43億ドル(約6357億円)の和解金を支払ったこととは無関係であると付け加えた。
デジタル資産のハブ化を推進するUAEは、バイナンスにとって重要な拠点となっている。ドバイとアブダビで規制当局からライセンスを取得しているほか、昨年はドバイで100人以上の人材を募集していると発表した。
バイナンスの新CEOであるリチャード・テン氏は、5日ロンドンで開催されたフィナンシャル・タイムズ紙のカンファレンスでスピーチを行い、同社の中東・北アフリカ本部はドバイにあると述べた。グローバル本社の場所については「追って発表する」と述べたが、その時期についての詳細は明かさなかった。
バイナンスは、今年だけでもドイツやキプロス、オランダから撤退を発表した。英国では新規ユーザーの受け入れを停止し、ロシア事業は売却した。オーストラリアでは規制当局からデリバティブ事業のライセンスを取り消され、フィリピンでは規制当局がサイトへのアクセスをブロックした。
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