英金融行為規制機構(FCA)は16日、2025年暗号資産(仮想通貨)消費者調査レポート(Wave 6)を公表した。調査は2025年8月5日から9月2日にかけて、YouGovオンラインパネルを通じて2,353人を対象に実施された。
中・高額保有へのシフトが顕著
調査によると、英国成人の暗号資産保有率は2024年の12%から2025年には8%に低下した。一方で、保有額の内訳では小額保有(£100約2.1万円以下)が減少し、£1,001~5,000(約20.8万~104万円)の保有者が21%(前年比+4ポイント)、£5,001~10,000(約104万~208万円)の保有者が11%(同+3ポイント)と、中・高額保有へのシフトが顕著となっている。
暗号資産の購入・取得方法として、中央集権型取引所(コインベース、バイナンス、クラーケンなど)の利用が73%(前年比+4ポイント)と最も多く、次いで決済企業の暗号資産サービス(レボリュートなど)が15%だった。利用率上位の取引所は、コインベースが61%、バイナンスが44%(前年比-5ポイント)となっている。取引所選択の理由として、使いやすさ(50%)、信頼性(39%)、安全性(34%)が挙げられた。
暗号資産ユーザーのステーブルコイン認知度は、2024年の53%から2025年には58%に上昇した。最も認知されているステーブルコインはテザー(USDT)で47%、次いでUSDCが38%だった。実際の購入経験は、ユーザー全体で25%、18~34歳では33%に達している。
規制強化で投資意欲に変化
暗号資産ユーザーの25%が「規制強化により投資したい」と回答し、さらに26%が「金融保護が含まれれば投資したい」と答えた。一方、規制強化で「投資を減らす」は11%、「影響なし」は25%だった。
ユーザーの63%は「高リスクを許容する」と回答し、暗号資産認知層全体の24%と比べて大幅に高いリスク志向を示している。一方で、13%のユーザーが「何らかの金融保護がある」と誤認しており、18~34歳では20%に達した。クレジットカードまたは既存の与信枠を利用して暗号資産を購入したユーザーは9%(前年比-5ポイント)に減少し、ネガティブ体験を報告したユーザーは30%、詐欺被害経験は7%だった。
FCAのマシュー・ロング決済・デジタル資産部門長は、「暗号資産は依然として高リスクで大部分が未規制であることを消費者は認識する必要がある。規制対象または登録された企業と取引することで、一部のリスクを軽減できると考えている」と述べている。
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