米上場企業サムズアップ、100万ドル相当のビットコイン購入|広告業界に挑戦

木本 隆義
11 Min Read

デジタル資産戦略で広告マーケティング業界に殴り込み

米上場企業「Thumzup Media Corporation(サムズアップ・メディア・コーポレーション)」は7日、約100万ドルを投じて 9.783 BTCを取得したと発表した。購入単価は1 BTCあたり10万2,220ドル。

同社は「流動資産の最大90%をビットコインで保有する」方針を掲げ、Coinbase Prime(コインベース・プライム)と提携して安全な保管体制を整える。将来的にはギグワーカーの報酬もビットコインで支払う計画で、広告マーケティング分野の競争力向上を目指す。

同社はTikTokとの統合を通じ、デジタル資産活用とソーシャルメディアを組み合わせた新戦略を展開するとして注目されている。この取り組みは暗号資産(仮想通貨)市場の成長性を見据えたもので、企業価値の向上に寄与すると期待されている。

投資の背景:なぜビットコインなのか?

サムズアップが約100万ドルを投じて9.783 BTCを取得した事実は、民間企業のニュータイプな資産配分戦略を象徴している。同社は「流動資産の最大90%をビットコインで保有」する意向を表明しており、「インフレヘッジ」や「企業価値向上」への期待が大きい。

平均購入価格が示す戦略:10万ドル超の衝撃

1 BTCあたり約10万2,000ドル超という購入価格は、ビットコインが歴史的高値を更新するという見方が背後にある。市場が強気相場を維持すれば株主に大きな利益をもたらすが、急落すれば資本毀損リスクが顕在化する。株主にとっては、まさにハイリスク・ハイリターンな賭けである。

デジタル資産の保管:Coinbase Primeの役割 

サムズアップはコインベース・プライムを活用することで、ハッキングリスクを低減する。同社が安全かつ専門的なカストディサービスを採用したのは、資産保護を重視する姿勢の表れとみられる。カストディは市場暴落のリスクまでは防げないが、秘密鍵管理の煩雑さや人的ミスを大幅に減らす点で大きな優位性がある。

ギグワーカー報酬への適用:新たな労働環境の模索

同社はギグエコノミー労働者への報酬をビットコインで支払う計画を打ち出した。仮想通貨による決済には、価格変動による恩恵もあれば、大きな損失リスクもある。即座にドルへ換金する選択肢があるにせよ、税務や規制への対応が不可欠である。この施策が新たな人材の獲得につながるか、注目されるところだ。

まとめ:  タイガースデン戦略

TikTokとの統合など、新たな広告マーケティング展開を標榜するサムズアップの動きは、デジタル資産を積極活用する企業姿勢のアピールにもなっている。但し、ビットコイン価格の変動や広告市場の不透明感が続く中、同社の戦略がどこまで成功を収めるかは予断を許さない。だが、これほどの積極的なリスクテイクは稀であり、今後の市場動向を占う一例として注目に値するだろう。

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JinaCoinのニュース担当記者。仮想通貨歴は8年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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