開始20分で取引量800万ドル、アナリストは「力強いスタート」と評価
米国初となる、ステーキング機能付きのソラナ(SOL)現物ETF「REX-Osprey SOL + Staking ETF(ティッカー:SSK)」が2日、取引を開始した。ブルームバーグのETFアナリストであるジェームス・セイファート氏によると、取引開始からわずか20分で約800万ドル(約11.5億円)の取引量を記録するなど、好調な滑り出しを見せている。
同じくブルームバーグのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、セイファート氏のポストから2時間後には「取引高が2,000万ドル(約28.7億円)に達した」ことを報告。「これは新規上場としては上位1%に入る、本当に力強い数字だ」と高く評価した。
なお、ポスト内でバルチュナス氏は「SSKのシード資金である2,500万ドル(約35.9億円)を考慮すると、SSKはすでに(2025年3月に上場されたソラナ先物ETFである)SOLZよりも規模が大きい」と言及しているものの、のちのポストで「2,500万ドルという数値は誤りで、実際には100万ドル(約1.4億円)程度」と訂正している。
SSKは、資産運用会社の「REX Shares(レックスシェアーズ)」と「Osprey Funds(オスプレイファンド)」が共同で開発した、米国で初めてのステーキング機能を持つ仮想通貨現物ETFだ。
このETFは、ソラナの価格パフォーマンスに連動するだけではなく、保有するソラナをステーキングすることで得られる報酬を、投資家に分配する仕組みを持つ。これにより、投資家はソラナを直接保有・管理することなく、価格上昇によるキャピタルゲインとステーキングによるインカムゲインの両方を狙うことが可能になる。SOLステーキングETFは2025年4月にカナダで先に上場しており、今回米国でも同様の機能を持つETFが上場された形だ。
ただし、規制上のハードルを回避するため、SSKは「C-corporation(C法人)」という形態で設立されており、ステーキング報酬は法人内で課税処理された後に投資家へ分配されるという、特殊な構造を採用している。
すでに米国で上場済みのビットコイン現物ETFやイーサリアム現物ETFは「Grantor Trust(受益者信託)」であり、仮想通貨ETFは通常、この形態で上場される。米国において、(一般的な形態であるGrantor Trustでの)アルトコイン現物ETFの上場がいつになるのか注目される中で、SSKが初日から好調なスタートを切ったことは、ソラナも含めたアルトコイン現物ETF承認に向けた大きな前進と言えるだろう。
関連:米SEC、XRP・LTC現物ETFの審査を開始──TRXステーキングETFも申請受理
関連:SEC、SUI現物ETF「21Shares SUI ETF」の上場申請を正式受理
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.68円)