暗号資産(仮想通貨)取引所大手のOKXと米インターコンチネンタル取引所(ICE)の合弁会社OKXICEは10月30日付で、トークン化した米国株を売買する場についての告知を更新し、第三者が自社株をトークン化した銘柄を扱わないよう求めた発行企業が50社になったと公表した。28日付の38社から12社増え、エヌビディア(NVDA)やマイクロン・テクノロジー(MU)、コストコ(COST)、ナイキ(NKE)などが新たに加わった。
トークン化株への異議、10月4日の1社から50社へ
OKXICEがサイトで公開している告知の9つの版(10月4日付〜30日付)を11月2日に取得し、異議を出した企業を数えた。
| 告知の日付 | 異議を出した企業 | 新たに加わった主な企業 |
|---|---|---|
| 10月4日 | 1社 | Cerebras Systems(セレブラス・システムズ) |
| 10月8日 | 4社 | AppLovin(アップラビン)、ロケット・ラボなど |
| 10月15日 | 9社 | ブロードコム、ベライゾン、ユナイテッドヘルスなど |
| 10月19日 | 16社 | マイクロソフト、アルファベット、ゴールドマン・サックスなど |
| 10月23日 | 22社 | アーム、ウェルズ・ファーゴ、インテュイットなど |
| 10月26日 | 26社 | IBM、オラクル、インテルなど |
| 10月27日 | 33社 | JPモルガン、AMD、コカ・コーラなど |
| 10月28日 | 38社 | イーライリリー、ウォルマートなど |
| 10月30日 | 50社 | エヌビディア、コストコ、ナイキなど |
JinaCoinは16社の時点をトークン化米国株の記事(10月21日)で伝えた。その後の版で34社増え、1回の更新での増加は30日付の12社が最も多い。
告知は、各社の異議が届いた日を示していない。米証券取引委員会(SEC)の免除命令は、異議を受け取ってから5営業日以内に告知を改めるよう運営者に求めている。
当初の一覧62社のうち43社が異議、テスラやアップルは名前なし
10月4日付の告知は、取引の対象として63銘柄を挙げていた。アルファベットは2種類の株があるため、企業の数では62社になる。8日付以降の告知に銘柄の一覧はない。
異議を出した50社のうち、この一覧に載っていたのは43社で、62社の約7割にあたる。残る7社のセレブラス・システムズ、アーム、ウェルズ・ファーゴ、Arcos Dorados(アルコス・ドラドス)、Cigna(シグナ)、IREN、パロアルトネットワークスは、一覧に含まれていなかった。
一覧になかった7社のうちIRENは、AI向けのデータセンターを手がけ、ビットコインの採掘も行ってきた企業で、30日付の告知で異議を出した企業に加わった。
一覧にあって30日付の告知の異議に入っていないのは19社だ。テスラやアップル、アマゾン、ネットフリックス、スペースXのほか、暗号資産関連のストラテジー、コインベース、サークル、ロビンフッド、BitGo(ビットゴー)、セキュリタイズが含まれる。
19社が今も取引の予定に入っているかは、告知からは分からない。各社への通知日の記載もない。
SECの免除命令、第三者のトークン化株は異議で対象外に
OKXICEは、SECが9月17日に出した時限的で条件付きの免除命令のもとで運営する予定だ。命令は、トークン化した米国上場株を自動マーケットメイカー(AMM)の流動性プールで許可制で売買する場について、条件を満たせば取引所としての登録を不要にする。
命令によると、発行企業と関係のない第三者がトークン化した株を扱う場合、運営者は発行企業に書面で事前に通知し、通知が届いてから少なくとも30日(暦日)たつまで取引を始められない。発行企業が30日以内に書面で異議を出せば、その株は取引の対象にできない。
異議を受けた株を扱えば、その株の取引は免除の条件を満たさなくなる。
異議の対象は、第三者がトークン化した株に限られる。告知は、発行企業自身がトークン化した株も扱えるとしている。
SECは命令の中で、発行企業が抱きうる懸念の例として、ブロックチェーン上の移転に伴う株主名簿の維持のリスクを挙げた。流動性プールの価格が元の株価からずれたり、株価に悪影響が及んだりするおそれにも触れている。各社が異議を出した理由の説明は、告知にない。
OKXICEの告知、USDTの名前が消え開始日も記載なし
ICEはニューヨーク証券取引所の親会社で、OKXICEはICEとOKX系のOKC USA Holdingが50%ずつ出資する。30日付の告知にも、取引の開始日は書かれていない。
トークン化株と組にするステーブルコイン(米ドルなどの法定通貨に価値を連動させるデジタル通貨)の記載も変わった。19日付までは、トークン化株をUSDC
USDC、USDG
USDG、USDT
USDTのいずれかと組にするとしていたが、23日付からはUSDCとUSDGを例として挙げる書き方になり、USDTの名前はなくなった。
28日付からは、利用者があらかじめ署名しておき、目安の価格が設定した価格に達したときに取引を送る、価格条件付きの取引の説明が加わった。約定は保証されないとしている。
日本からの利用の可否について、告知に言及はない。告知によると、個人の申込者は本人確認で、社会保障番号(米国の個人番号)などを提出する。
国内では、金融庁が10月20日に開いたDeFi・DEXの研究会(デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会)の事務局資料が、振替口座で管理する株式などをブロックチェーン上で取引する仕組みは、まだ実現していないとしている。
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