暗号資産(仮想通貨)取引所大手のOKXと米インターコンチネンタル取引所(ICE)の合弁会社OKXICEは19日付で、トークン化した米国株を売買する場についての告知を更新した。第三者が自社株をトークン化した銘柄を扱わないよう求めた発行企業は16社に増え、新たにマイクロソフト、アルファベット、ゴールドマン・サックス、クアルコム、キャタピラー、マクドナルド、ウエスタンデジタルの7社が加わった。
取引への反対、4日付の1社から16社へ
OKXICEは告知の過去の版もサイトで公開している。反対した企業は、4日付の告知で1社、8日付で4社、15日付で9社と増えてきた。
4日付の告知は、取引の対象として63銘柄を挙げていた。アルファベットは2種類の株があり、企業の数では62社になる。8日付以降の告知には、銘柄の一覧は載っていない。
反対した16社のうち15社は、この一覧に載っていた企業だ。残る1社の半導体企業セレブラス・システムズは、4日付の一覧に含まれていなかったが、同じ日付の告知で反対企業として唯一記載されていた。
一方、一覧にあったエヌビディアやアップル、テスラは、19日付の告知の反対企業に入っていない。暗号資産関連のストラテジー、コインベース、サークル、ロビンフッドも同様だ。ただし8日付以降は一覧がなく、各社への通知日や反対の期限も告知には書かれていない。
SECの免除、第三者のトークン化には発行企業が30日以内に反対できる
OKXICEは、米証券取引委員会(SEC)が9月17日に出した時限的で条件付きの免除命令のもとで運営する予定だ。命令の期間は2031年9月17日までの5年間となる。
命令は、トークン化した米国上場株を自動マーケットメイカー(AMM)の流動性プールで許可制で売買する場を、1934年証券取引所法上の取引所の定義から外し、条件を満たせば取引所としての登録を不要にする。流動性を提供する一部の企業も、ディーラーの定義から外す。
命令によると、発行企業と関係のない第三者がトークン化した株を扱う場合、運営者は発行企業に事前に通知し、通知が届いてから少なくとも30日(暦日)たつまで取引を始められない。発行企業が30日以内に書面で反対すれば、その株は取引の対象にできなくなる。
SECは命令の中で、発行企業が抱きうる懸念の例として、ブロックチェーン上の移転に伴う株主名簿の維持のリスクを挙げた。流動性プールが示す価格はプール内の資産の比率だけで決まる可能性が高く、元の株価との乖離や株価への悪影響が生じるおそれにも触れている。
OKXICEの仕組み、ステーブルコインで24時間売買へ
ICEはニューヨーク証券取引所の親会社で、OKXICEはICEとOKX系のOKC USA Holdingが50%ずつ出資する。
OKXの独自トークンOKB
okbは、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(9月30日現在)をJinaCoinが集計したところ、取り扱う業者として記載されているのはオーケーコイン・ジャパンの1社だ。
告知によると、トークン化した株は米ドル連動のステーブルコイン(USDC、USDG、USDTのいずれか)とペアにし、レイヤー2(既存のブロックチェーンの処理を補う別のネットワーク)のXLayer上のAMMで、24時間・週7日売買できるようにする。
第三者がトークン化する場合、トークンは、米国の登録証券会社を通じて保有する株式に1対1で裏付けられる。また、利用者はトークン化の方式にかかわらず全員が本人確認を受け、自分で管理するウォレットを使う。
告知は、OKXICEが免除のもとでの業務についてSECに登録しておらず、全米市場システム規則(Reg NMS)の対象でもないと明記している。取引の開始日の記載はない。
国内では、金融庁が20日に開いたデジタル・分散型金融の研究会の事務局資料が、振替口座で管理する株式などをブロックチェーン上で取引する仕組みは、まだ実現していないとしている。
