仮想通貨のマネロン対策、FATFが重点審査へ──結果は2027年6月から公表

仮想通貨のマネロン対策、FATFが重点審査へ──結果は2027年6月から公表
水澤 誉往
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Highlights
  • FATFが10月30日、暗号資産サービス提供者の活動が重要な国・地域を主な対象に、重点審査を始めると発表
  • 審査の結果は2027年6月と10月に公表。詐欺・制裁逃れ・資金洗浄などへの暗号資産の悪用の拡大を指摘
  • グレーリストからブルガリアなど4カ国が外れ18カ国・地域に。ベトナムには重大な懸念を表明

資金洗浄対策の国際基準を定める金融活動作業部会(FATF)は10月30日、暗号資産(仮想通貨)の交換・移転などを担う暗号資産サービス提供者(VASP)の活動が重要な国・地域を主な対象に、暗号資産に関する基準の実施状況を確かめる重点審査を始めると発表した。同月28〜30日にパリで開いた全体会合(プレナリー)で決めた。

最初の結果は2027年6月、続きは同年10月に公表する。同じ会合では、強化モニタリング対象国・地域(グレーリスト)からブルガリアなど4カ国を外した。金融庁は2日、FATFが会合で採択・公表した高リスク国・地域と強化モニタリング対象国・地域の声明を、同庁のサイトで紹介した。

FATFが暗号資産の重点審査、結果は2027年6月から

FATFは発表で、暗号資産とVASPに関する基準の実施が世界の国・地域の間でばらついていると指摘した。犯罪組織は、暗号資産が国境をまたぐ性質と、基準の実施の隔たりを突いて、悪用を続けているという。

会合の成果文書によると、犯罪組織は暗号資産を詐欺、制裁逃れ、資金洗浄、テロ資金供与、大量破壊兵器の拡散の資金供与などに使っている。FATFは、重点審査と、その後の追跡を早める手続きを、各国・地域が基準の実施の隔たりをより早く埋められるよう支援する新しい仕組みと位置付けた。

審査は客観的な基準に基づき、各国・地域の現在の審査の状況をもとに、暗号資産の分野が重要な国・地域に焦点を当てる。FATFは今回、対象の国・地域の名前を示していない。

FATFは、相互審査(各国の対策を互いに評価する仕組み)とその後の追跡が、引き続き実施状況を評価する主な手段だとしている。今回の決定は、4月のFATF閣僚宣言を受けたものだ。

FATFは7月16日に公表した暗号資産の基準の実施状況に関する7回目の報告書で、当時、VASPの免許・登録制度を実際に運用する段階などに大きな隔たりが残ると指摘していた。今回の発表文は、この報告書に触れていない。

グレーリストから4カ国除外、ベトナムに重大な懸念

FATFがグレーリストから外したのは、ブルガリア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、モナコの4カ国。いずれも現地調査を経て、行動計画を合意した期限内に終えたと認められた。新たに加わった国・地域はなく、一覧は6月の22から18カ国・地域になった。

ブルガリアの行動計画には、VASPが市場に参入する際の規制の整備が含まれていた。

残った国・地域のうち、成果文書が個別に取り上げたのはベトナムだ。声明が挙げた同国の行動計画の項目は10あり、その1つが暗号資産とVASPを規制する措置になっている。期限はすべて2025年5月に切れた。

6月の声明でFATFは、ベトナムに行動計画の早期実施を強く求めていた。今回はこれに加えて、進み具合と行動計画を終えていないことに重大な懸念を表明し、2027年2月に目に見える改善がなければ次の対応を検討するとした。

ベトナムでは7月、無認可の取引の利用者への罰金などを定めた暗号資産の制裁政令が成立した。FATFの声明は、この政令には触れていない。

行動計画にVASPが入る国・地域では、英領バージン諸島も、信託・会社設立の業者や投資業者と並び、VASPへのリスクに応じた監督の強化を求められている。

ブラックリストは3カ国のまま、日本の厳格確認はイラン・北朝鮮

行動要請対象の高リスク国・地域(ブラックリスト)は、6月と同じ北朝鮮、イラン、ミャンマーの3カ国だった。北朝鮮とイランについては、加盟国などに対抗措置をとるよう求める。

イランへの対抗措置には、同国の金融機関やVASPが子会社・支店・駐在員事務所を設けるのを拒むこと、暗号資産の取引を含む同国や同国の者との取引関係・金融取引をリスクに応じて制限することなどが並ぶ。6月の声明でも、VASPは対象に含まれていた。

ミャンマーについては、加盟国などに、対抗措置ではなくリスクに応じた厳格な顧客管理を求めている。行動計画に2027年2月までにさらなる進展がなければ、対抗措置を検討するとした。

FATFは同国に対し、詐欺やサイバー詐欺に伴う不正な資金のリスクへの対応も改めて求めた。

金融庁の今回の案内は、JinaCoinの規制トラッカーの速報でも2日に取り上げた。

日本では、犯罪収益移転防止法の施行令12条2項が、同法4条2項2号の「犯罪による収益の移転防止に関する制度の整備が十分に行われていないと認められる国又は地域」としてイランと北朝鮮を定めている。

暗号資産交換業者を含む特定事業者は、特定取引のうち、これらの国・地域に居住・所在する顧客等とのものや、これらの国・地域に居住・所在する者への財産の移転を伴うもので、通常より厳格な取引時確認を行う必要がある。FATFの声明は、日本の法令には触れていない。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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