トークン化資産のプラットフォームを運営し、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場するSecuritize(セキュリタイズ、SECZ)は8日、米国株をブロックチェーン上で取引できる「Securitize Stocks(セキュリタイズ・ストックス)」を始めたと発表した。
まずソラナ(
SOL)上の自社のブローカー・ディーラーのプラットフォームで、アップルやエヌビディアなど12銘柄を扱う。各トークンは株式1株で裏付けられ、配当や、株式に議決権がある場合は議決権も保つ設計だという。
セキュリタイズ・ストックス、ソラナで米国株12銘柄の取引を開始
対象は、米国、EU、その他の認められた地域の適格な投資家。最初の銘柄は、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット(グーグルの親会社)、テスラ、メタ、アマゾン、ネットフリックス、サークル、スペースX、ストラテジー、パランティアの12社の株式で、決済はステーブルコインのUSDC(
USDC)で行う。
取引は当初、延長取引時間に提供し、24時間365日の取引を目指す。ジャンプ・トレーディングがマーケットメーカーとして流動性を提供する。
同社によると、各トークンは米国の統一商事法典(UCC)第8編に基づく「証券に対する権利(security entitlement)」にあたる。配当や、株式の種類に議決権がある場合は議決権を保つ。裏付けの株式は貸し出さない。
株式を発行する企業が自らトークン化に対応した場合、投資家は名義書換代理人を通じて、権利を実際の株式に転換し、その企業の株主名簿に記録できる。同社はこの仕組みを、転換可能な権利トークン(CET)と呼んでいる。
今後は、NYSEが開発中の24時間365日のデジタル取引の場や、OKXとインターコンチネンタル取引所(ICE)によるOKXICEのトークン化証券取引所でも取引できるようになる見込みだ。リップル・プライムも立ち上げを支援するとしている。
ただし、同社の開示によると、保有者は転換しない限り発行企業の登録株主ではない。株式を発行する各企業は、セキュリタイズ・ストックスを支援・承認していない。NYSEとOKXICEの取引の場はまだ開設されておらず、規制の承認などしだいで、取引が実現しない可能性もある。
トークン化株の比較、ロビンフッドやxStocks、オンドは株主の権利なし
米国株のトークン化は、ロビンフッドやバックド(xStocksの発行元)、オンドなども手がけている。各社の開示資料を確認すると、法的な性質と株主の権利が大きく異なる。
| 商品 | 法的な性質 | 株主の権利 | 米国の投資家 |
|---|---|---|---|
| セキュリタイズ・ストックス | 株式1株で裏付けた証券に対する権利(UCC第8編) | 配当や議決権(株式にある場合)を保つ設計。登録株主になるには転換が必要 | 対象 |
| ロビンフッドのストック・トークン | ジャージー島の子会社が発行するトークン化債務証券 | 原資産への法的な権利はない | 対象外 |
| xStocks(バックド) | 株式で裏付けたトラッカー証明書 | 原資産の所有権や議決権などは伴わない | 対象外 |
| オンドのGlobal Markets | 裏付けの株式とは別の、オンド・グローバル・マーケッツのトークン | 株主の権利はない。議決権の行使は、発行体への意向の表明にとどまる | 対象外 |
ロビンフッドのブラッド・テネフCEOは9月、トークン化の方法を、発行企業が自社株をオンチェーンに置く、仲介者が原株の所有権をトークン化する、第三者が原株に裏付けられた別個の商品を発行する、の3つに分け、同社のストック・トークンは3番目にあたると説明していた。
オンドは4月、ブロードリッジと組み、トークンの保有者が議決権について意向を示せる仕組みを導入した。ただし、オンドの発表は、トークンは株主の権利を与えず、発行体が保有する株式の議決権の行使について意向を伝える権利だとしている。
同社は、米証券取引委員会(SEC)のイノベーション免除で想定されるトークン化証券取引所でも、セキュリタイズ・ストックスが取引の対象になる見込みだとしている。
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