自社提供のステーブルコインの普及が狙いか
世界最大級の決済サービスプロバイダー「PayPal(ペイパル)」が、イギリスにおける暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーのライセンスを制限付きで取得したことが規制当局のウェブサイトで明らかとなった。
英国金融行動監視機構(FCA)のウェブサイトによると、10月31日付で発効しており、同社はイギリスのユーザーに仮想通貨関連のサービス・製品を提供をおこなっている。
ただし、提供できるサービスは「既存顧客への仮想通貨の販売、カストディサービスの提供」に制限され、新規顧客の開拓はできない。また、P2P取引やICO、ステーキング、レンディング、DeFiなどサービス提供も禁止されている。
ペイパルはまた、「仮想通貨をお金に、またはお金と仮想通貨を交換する自動プロセスを使用する機械」の運用も許可されているが、こちらについては具体的な内容はわからない。
オンライン決済サービスを主力とするペイパルであるが、近年は仮想通貨事業にも乗り出しており、今年8月には米ドルにペッグされたステーブルコイン「PayPal USD」の運用を開始した。背景にあるのは準備金(特に米国債)から得られる莫大なリターンだろう。
ステーブルコイン最大手のテザーは、準備金の大半が米国債で占められており、2023年第3四半期だけで約1500億円の利回りを得た。つまりPayPal USDが普及すればするほど、ペイパル社は儲かる。実際、9月に公表された最新のPayPal USDの準備金レポートを見てみると、現金は1%未満で、9割以上が米国債となっている。
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出典:Paxos
イギリスは仮想通貨が着実に普及している。ブロックチェーン分析会社のチェイナリシスによると、草の根的な普及を示すチェイナリシス独自のグローバル仮想通貨普及指数で14位にランクインしているほか、未加工の取引量では世界第3位で、過去1年間に1521億ドルを受け取ったと推定される。
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