豪バイナンスが大幅縮小|バイナンスが眼の敵にされる3つの理由

木本 隆義
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背後に米国の意向

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は6日、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが有する、豪州におけるデリバティブ取引のライセンスを取消すことを発表した。背後には、米国でバイナンス規制が強まる中、豪バイナンスが米国人のバックドア(潜脱手段)として利用されてきた事情がある。

オーストラリアとアメリカ合衆国の両国は、親密な同盟国であり、英語圏かつ英国圏という共通点もあって、とりわけ関係が深い。今回のライセンス取消しも、背後に「兄貴分」のアメリカの意向があることはまちがいないだろう。

現物取引とデリバティブ取引

今回バイナンスのライセンスが取消されたのは、デリバティブ取引だ。

暗号資産の現物を購入する「現物取引」と異なり、「デリバティブ取引」は現物のやりとりをせず、決済時に差金決済のみを行う。ドル円をはじめとする、FX取引をイメージしてもらえば手っ取り早いだろう。

バイナンスが眼の敵にされる3つの理由

米国がバイナンスを目の敵にし付け狙うのには、以下の3つの理由がある。

  1. 投資家保護
    過度に投機的なデリバティブ取引は、個人投資家の生活を破綻させ、ひいてはリーマンショックのような国民経済の破壊をもたらす可能性がある。今回のライセンス取消しは、この観点がメインだろう。
  2. テロ資金・マネロン阻止
    暗号資産は匿名性の高さから、テロ資金やマネーロンダリングの温床となりやすい。米国のバイナンス包囲網の究極の目的は、この温床の除去にある。今回のライセンス取消しも、本丸はこちらの「テロ封じ」で、まずは外堀を埋めたのかもしれない。
  3. 中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入
    CBDC導入時には、暗号資産やバイナンスはじゃまな存在となる。今回のライセンス取消しに、CBDC導入のための地ならし的な意味があるとすれば、われら暗号資産フリークにとっては、今後も長引くやっかいな問題となりそうだ。

デリバティブ取引という外堀を埋められた豪バイナンス。内堀の現物取引も埋められるのか? そして、本丸の米バイナンスにも火がかけられるか? 予断を許さない。

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参考文献

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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