マタドールが指南するビットコイン戦略
カナダのIT企業「Matador Technologies(マタドール・テクノロジーズ)」は23日、2024年12月末までに450万ドルをビットコインに投資する計画を発表した。
また、カナダドルの下落リスクに備え、保有資産の米ドルへのシフトも実施。さらに、ビットコインを基盤とした「デジタルゴールドプラットフォーム」を構築し、2025年には限定ユーザー向けサービスをリリースする予定だという。
カナダドルからの逃避:背景に石油リスク
マタドールが450万ドルをビットコインに振り向ける背景には、カナダドルの先行き不透明感がある。カナダは石油輸出への依存度が高く、さらに国家債務も増加傾向にあることから、通貨安リスクが高まるとの懸念が企業セクターで強まっている。
「石油価格の下落がもたらすカタストロフ」を避けるために、カナダドルから米ドル、さらにはビットコインへ資産を振り替える動きは、企業セクターにおける通貨防衛策の強力な一手だ。
財務多角化は現代企業にとって必須か?
マタドールが推し進めるビットコイン投資のポイントは以下のとおり。
- カナダドル安リスクに備え、米ドル・ビットコインへシフト
- 450万ドルという投資規模は初動としては控えめながらも注目度は高い
- デジタルゴールドプラットフォーム構想により、独自のビジネスを展開
- ビットコインのボラティリティは高く、企業としては慎重なリスク管理が不可欠
- 最終的にはポートフォリオを分散させることで通貨リスクを回避し、成長を模索
今後はビットコインの普及動向や規制の行方が重要な判断材料となる。とはいえ、企業が財務多角化を図るうえでビットコインに注目する流れは、すでに一過性のブームにとどまらない段階に入っている。
今回のマタドールのように、段階的に通貨防衛戦略を進める企業の動向が、ビットコインの実需を急激に押し上げるシナリオもありそうだ。
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