スイス金融市場監督機構(FINMA)は20日、ビットコイン
BTCに直接投資する公募の上場投資信託(ETF、取引所で売買できる投資信託)を初めて承認したと発表した。スイス法に基づくファンドで、適格投資家に限らず、個人を含む一般の投資家を対象とする。スイス法上は、特有のリスクを伴う「その他の代替投資向けファンド」に分類される。
FINMA、ビットコインETFにリスク分散規定の例外──2021年は適格投資家限定
FINMAは、ビットコインがほかの暗号資産(仮想通貨)と比べて取引の歴史が長く、取引量が特に多いことを理由に、本件について、適用されるリスク分散規定の例外を認めた。
FINMAは2021年9月、主に暗号資産に投資するファンドを、スイス法に基づく初の暗号資産ファンドとして承認したと発表した。名称は「Crypto Market Index Fund」で、当時の発表によると、販売先は適格投資家に限られていた。
FINMAは当時、承認にあたり、投資先を十分な取引量のある確立した暗号資産に限ることや、金融活動作業部会(FATF)の加盟国に拠点を置き、資金洗浄対策の規制を受ける確立した取引相手・プラットフォームを通じて投資することなどの条件を付けた。運用と保管に関わる機関には、リスク管理と報告の要件も課された。
2021年のファンドの投資先は、主に複数の暗号資産の組み合わせ(バスケット)だ。
これに対し今回のETFは個人も対象とする公募ファンドで、ビットコインに直接投資する。
スイスの証券取引所SIXには、暗号資産に連動する上場投資商品(ETP)がすでに取引されている。SIXによると、ETPは担保付きの無記名債券で、集団投資スキーム法の対象外のため、FINMAの監督は受けない。
FINMAの発表は、承認したファンドの名称や提供会社、手数料、上場の時期を示していない。FINMAによると、ほかのファンド提供会社もビットコインETFの申請を出したか、申請を予告している。
FINMA、保管リスクへの対策を要求──ETFでも投資は高リスクと強調
投資家をより効果的に保護するため、FINMAの監督を受ける金融機関には、業務上のリスク(オペレーショナルリスク)と保管(カストディ)のリスクを抑える対策が求められる。基準となるのは、FINMAが1月12日に公表した暗号資産の保管に伴うリスクに関するガイダンスだ。
同ガイダンスの発表によると、暗号資産の保管には分散型台帳の技術に由来するリスクがあり、国外で保管する場合は、特に保管業者の破綻時に、複雑な法的問題が生じうる。顧客の暗号資産が保管業者の破産財産に含まれないようにする必要があるとし、外部の保管業者を使う場合も責任は認可を受けた金融機関に残るとした。
FINMAによると、販売の場面で金融サービス法(FinSA、金融サービスの提供ルールを定めたスイスの法律)の行為規制が適用されることも、暗号資産に直接投資する場合より高い水準の投資家保護につながる。
ファンドの書類でリスクを明確に示して説明することなどで、透明性も高めるべきだとしている。
一方でFINMAは、承認したETFを通じた場合でも、ビットコインへの投資は高いリスクを伴うと強調した。暗号資産は値動きが激しいため、投資した資金が大きく目減りする恐れがあるとし、投資の判断、特に投資額を決める際に考慮するよう求めている。
監督対象の事業者に向けては、暗号資産を基礎とする金融商品を提供する際、FinSAの行為規制を厳格に守るよう注意を促した。値動きの大きさ(ボラティリティ)や損失のリスクを含む、明確なリスクの警告を示し、FinSAに基づく適切性・適合性の確認にも特に注意を払う必要があるという。
