暗号資産(仮想通貨)の決済基盤を手がける米Meshは19日(米国東部時間)、米決済大手のVisa(ビザ、V)と戦略的な提携を結んだと発表した。この仕組みに参加するウォレットアプリなどに利用者が持つ暗号資産やステーブルコインの残高から、Visaが使える店舗やネット通販で直接支払えるようにする。別のカードを作る必要はないという。
ウォレット残高でVisa決済、支払い用の情報は裏側で用意
Meshによると、この仕組みでは、対応するウォレットなどでVisaの支払い用の情報(クレデンシャル)が裏側で用意される。利用者は通常の非接触端末にかざすか、ネットで決済できるようになる。事前に資産を売ったり、移したり、チャージしたりする手間はないという。
加盟店は通常のVisa決済として代金を受け取る。新しい機器も、レジの手順の変更も要らないとしている。
決済のたびに、暗号資産、ステーブルコイン、法定通貨のどの残高から資金を充て、どう交換するかはMeshが調整する。Meshは、決済サービスの運営を担う事業者(プログラムマネージャー)として、利用者の登録手続きと本人確認(KYC)も引き受ける。
ウォレットなどの事業者は、Meshとの接続1つで、Visaの決済網を使えるという。カードの発行や決済の仕組みを自ら作り、運営する必要はない。
提供開始の時期や範囲、対応する端末、参加する事業者は、展開の詳細が固まり次第発表する予定だ。発表は、日本で提供するかどうかに触れていない。
Visaの加盟店拠点は1億7,500万超、200を超える国と地域に
Meshは発表で、Visaの決済網は200を超える国と地域、1億7,500万超の加盟店の拠点に広がり、2025会計年度の決済額は14.2兆ドル(約2,245兆円)だったと説明した。
Visaの企業サイトによると、1億7,500万超という拠点の数は、加盟店契約会社などから受け取った2025年6月30日時点のデータに基づく。このうち推計6,400万拠点は、加盟店契約会社に代わって店舗に決済の受け付けを提供する事業者(ペイメントファシリテーター)を通じたものだ。
Visaでグローバル成長責任者を務めるルバイル・ビルワドカー氏は、Meshとの協業が、デジタル資産の残高を、消費者や加盟店が日々頼りにしている決済の仕組みにつなぐ方法を広げる助けになると述べた。
MeshのCEOで共同創業者のバム・アジジ氏は、暗号資産は使い道に困っているのではなく、支払いまでの最後の一歩に課題があり、これまでは別のカードを作るしかなかったと語った。
Mesh、ペイパルの暗号資産払いに技術を提供、1月に7,500万ドルの調達を公表
Meshは2020年の設立で、発表によると、200を超える企業が同社のネットワークを使っている。
Meshの導入事例のページによると、ペイパル(PYPL)の「Pay with Crypto」は、Meshの技術が土台だ。同ページは開始日を2025年7月28日と記す。加盟店への提供は米国から始めた。買い手は手持ちのウォレットや取引所をつなぎ、100種類超の暗号資産で支払える。
同ページによると、加盟店は現在、米ドルで代金を受け取る。売上をペイパルのステーブルコインPYUSDに換える選択肢もある。PYUSDで直接精算する仕組みも計画されているという。
Meshは1月27日、シリーズCで7,500万ドル(約119億円)を調達したと公表した。評価額は10億ドル(約1,581億円)で、これで累計の調達額は2億ドル(約316億円)を超えたとしている。
このラウンドを主導したのはドラゴンフライ・キャピタルで、パラダイムやコインベース・ベンチャーズに加え、SBI Investmentなども参加した。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.09円)
